神代辰巳監督デビュー作。Wikipediaの「神代辰巳」の説明には「デビュー作となった『かぶりつき人生』は、日活の衰退期とその内容もあってか、一般作としては日活史上最低の興行失敗となった」とある。それが正確な記述であるかは定かではないが、むべなるかなと思わないでもなかった。
ストリッパーであり男に依存して生きている母と、その彼女の生き方に反発しながらも自分もストリッパーからポルノ女優としてのし上がろうとする娘の物語。
前半は母親と娘がぶつかり合いながらも親子のつながりの中で生きていく彼らの姿が描かれていて、それなりにまとまっていた。しかし、娘が男を利用し利用されという生き様を描く後半は展開がかなりグダグダ。それがエンディングに向けて加速度的にひどさを増して、「どうしてこうなるの?」となってしまう。
バンを改造して布団乾燥の巡回営業をする男に夫を殺してと頼むのも驚きだったが、その男がレーサーというのも斜め上の設定。そして極めつけは、初恋の男に刺されて救急車で運ばれる途中、その刺した男が警官に拳銃で撃たれて同じ救急車に載せられる展開。とにかく行き当たりばったりの設定がひどいの一言なのだが、そこまでひどいと一巡して面白く感じられないでもないから不思議なものである。
なりたくなかった母と同じ女に自分もなっていく娘の葛藤は極めてフェミニズム的な主題であり、手持ちカメラの多用や実験的な映像と自由奔放な登場人物の姿はヌーヴェルヴァーグの影響下にある空気感はあった。それでも人生にかぶりついて生きていく女性の強さが主題として生きていた。
雨の中意地になって外を歩く娘と車の並走の後「どうにもならんわ」で乗り込むまでの長回し、きつねうどんに餃子、ラストカットのビル内ディスコが印象的だった。
★★★★★ (5/10)
