『ゲット・アウト』 (2017) ジョーダン・ピール監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~

 

北米大ヒット中のスリラー映画『Get Out』。この手の恐怖心をあおる映画は敢えて好んでは観ないのだが、あまりの評価の高さに、それこそ「怖いもの見たさ」で観てきた。

 

そして、予告編から予想されたものとは大きく異なる展開に驚かされた。そしてその脚本の妙が、この作品の魅力。とにかくぶっ飛んだ。

 

クリスは、恋人のローズの実家で週末を過ごすことになった。クリスは、白人であるローズの両親や周辺住民のいささか奇妙な態度は、自分が黒人であることが理由だと考えていたが、やがてその裏には彼が想像だにしなかった秘密があった。

 

主人公が黒人であることから、人種差別的な迫害をベースにした作品だと想像したのだが、確かに人種問題をベースにしながら、展開は想像とは真逆に。黒人のクリスを迎え入れる白人たちの黒人絶賛(例えば、元プロゴルファーのおじいさんがタイガー・ウッズを絶賛するシーン)がその後の展開のヒントになるのだが、それは作品の終盤まで分からなかった。

 

ヒロインのローズ役のアリソン・ウィリアムズは、TVドラマを中心に出演している女優。最近のジェニファー・コネリーをそのまま若くしたような雰囲気。最初は印象が薄い感じだったが、それは大きな間違いだった。そして脇役なのだが、クリスの友人役が、どこにでもいるような「バディ感」一杯の演出で、緊張感一杯の作品にゆるーい雰囲気を与えていい味を出していた。

 

近年のホラー/スリラー/サスペンス/ミステリーの中では出色の作品。そして、ラストシーンでパトカーが近づいてくると本来被害者のクリスが両手を挙げるという状況にアメリカの現実を見たような気がした。ほどよく怖く、しかも安っぽくない佳作。「怖いもの見たさ」で是非観てほしい作品。

 

★★★★★★ (6/10)

 

『ゲット・アウト』予告編