『キッド』 (1921) チャールズ・チャップリン監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



チャップリンのファースト・ナショナル時代の作品。サイレント・ムービーの傑作だが、この作品のように現代でも誰しも楽しめるサイレント・ムービーは多くないのではないだろうか。

この作品は、映画冒頭で「笑いと多分涙の物語」とト書きがあるように、「映画史上初めて喜劇と悲劇の融合が効果的に取り入れられた長編喜劇映画」とされる。

お馴染みのチャップリンのペーソス漂うコミカルな演技はさすがだが、やはりこの作品のよさは子役のジャッキー・クーガンの天使のような存在感による。

この作品が作られた時は、チャップリンは31歳。12歳年下のミルドレッド・ハリスとの最初の結婚がうまくいかず、産まれた子供を10日で失ったばかり。ジャッキー・クーガンとの映画製作に、現実逃避をしていたのではないだろうか。

この作品のアメリカ大ヒット後、チャップリンは故郷ロンドンに凱旋帰国し大変な歓待ぶりだったという。

チャップリンの代表作の一つであり、特に一連の名作を生み出したユナイテッド・アーティスツ時代以前のチャップリンの作品の中では最高の作品。

★★★★★★ (6/10)

『キッド』予告編