![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160325/23/th0529/9a/39/j/t02200330_0300045013602014364.jpg?caw=800)
『ブルージャスミン』でアカデミー主演女優賞を獲得したケイト・ブランシェットと、本作で助演女優賞にノミートされたルーニー・マーラ(『ドラゴン・タトゥーの女』)出演による作品。
1950年代のニューヨーク。プロのフォトグラファーを夢見てマンハッタンにやって来たテレーズ(ルーニー・マーラ)は、クリスマスシーズンのデパートで玩具売り場のアルバイトをしていた。彼女にはリチャードという恋人がいたが、結婚を望む彼の期待に踏み切れずにいた。ある日テレーズは、デパートに娘へのプレゼントを探しに来たエレガントでミステリアスな女性キャロル(ケイト・ブランシェット)にひと目で心を奪われてしまう。それ以来、2人は会うようになり、テレーズはキャロルが夫と離婚訴訟中であることを知る。生まれて初めて本当の恋をしていると実感するテレーズは、キャロルから車での小旅行に誘われ、ともに旅立つ。
愛し合う女性二人を描いた美しい映画。但し、きれいに作り過ぎて二人の間に葛藤が少ないように感じられる。女性同士の恋愛を描いたものとしては、『アデル、ブルーは熱い色』があるが、あの作品にあるようなひりひりするまでの恋愛に伴う高揚感と相まった孤独感や苦悩がこの作品には少し足りないように感じる。
よかったのはラスト10分。それまで全てをコントロールしていたキャロルが、余裕を失ってからの描写にリアル感があった。
ケイト・ブランシェットの存在感はさすがオスカー女優。それとがっぷり四つに組んだルーニー・マーラ(少しオードリー・ヘップバーンに似てる?)の演技も、『ドラゴン・タトゥーの女』よりはるかによかった。
あまり男性向けの映画とは言えず、「きれいなものが好き」という女性には受けるのではないだろうか。
★★★★★ (5/10)
『キャロル』予告編