『ボーダーライン』 (2015) ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 | FLICKS FREAK

FLICKS FREAK

いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



『プリズナーズ』 『複製された男』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督最新作『ボーダーライン』。日本では来年4月公開予定。原題の『Sicario』はメキシコでヒットマンの意味。

相変わらずダークで思慮深い映画造りのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の作品。それが吉と出たのが『プリズナーズ』であり、凶と出たのが『複製された男』だった。この作品は『プリズナーズ』ほどではないが、吉の方であることは間違いない。

舞台はアメリカとメキシコ国境。その国境をはさんで、アメリカ政府の特別編成部隊が麻薬組織を追い詰めようとするドラマ。一応主人公はフィールドワークの実績を買われてその特別編成部隊に配属されたFBI捜査官のケイト(『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のエミリー・ブラント)だが、彼女はその特別編成部隊の真の目標を知らされないまま参加しているため、観客も彼女同様何が起こるか分からないような状況で、映画は進行する。

そのオペレーションの鍵を握るのがコンサルタントとして特別編成部隊に参加している男。ベニチオ・デル・トロが演じているのだが、これが迫力満点。

メキシコの治安はこんなに悪いのかというくらい荒んだ情景と、命の危険に常にさらされている任務がマッチして作品の雰囲気を決定している。

かなりハードコアのダークなクライム映画。『プリズナーズ』の方が出来はいいが、この作品も観る価値はある。

★★★★★★ (6/10)

『ボーダーライン』予告編