映画『東京難民』観賞。
もしあなたが生きることが辛かったら、生きる目的を見失っていたら、是非この映画を観てほしい。
『ツレがうつになりまして』ではシリアスな問題をハートウォーミングな映画(堺雅人、宮崎あおいが好演)に仕立てた佐々部清監督。本作では、シリアスな問題を「どシリアス」に描いている。
ちょー適当な今どき大学生が社会の底辺まで一気に落ちて行く様は、恐怖さえ覚えた。ネットカフェ難民やホストクラブ、日雇労働者、ホームレスの実態もリアルに見せてくれる。最後は名前さえ捨てて「俺は終わった」と虫のように生きようと決めるのだが、彼がどん底で見つけたものとは何であったか。
全体を重苦しい感じが覆った映画の後味が爽やかなのは、やはり最後で希望と人間の強さを見せてくれたから。「生きていていいですか」というセリフには泣けた。主演の中村蒼も一生懸命生きる青年をいい演技で見せてくれていた。彼に関わる人たちも存在感のある役回りで、特に井上順の演技がよかったなあ。ラストシーンにかぶる高橋優の歌もぴったり(あまり邦楽を聞かない私だがCD2枚持所有)。
どーんと来た後、じわじわ来る。とにかくお勧め。
★★★★★★★★ (8/10)
『東京難民』予告編