国立科学博物館 特別展とクラファン問題 | カ素ブログ

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お出掛けレポート中心。科博多め。気が向いたらオモチャのレビュー。

 

赤と青の京急に乗り品川駅着。

 

山手線乗り換えで上野駅へ。いつものルートです。

 

という事でいつもの科博に到着。

 

今回は特別展「海」の初日に行ってきました。

 

当初は初日に凸するつもりは無かったんですが、前日何となく予約状況を確認してみるとまだ余裕があったので急遽行く事にしました。余裕があったとは言え、まあまあ混んでる…。

 

地球に於ける「海」の成り立ちから始まり…。

 

「海」での生物の進化を紐解き…。

 

大スター「シーラカンス」の登場なども挟んで…。

 

現代の「海」に於ける生態系に辿り着きます。このフロアの壁面上部全てにLEDで海面下の動画が写し出されていて、なんかちょっとオシャレな感じになってます。恐竜博のあとでも気を抜かない科博。

 

このフロアでひときわ目立っている「ナガスクジラ」の原寸大模型。半身だけでもとんでもないデカさ。

 

反対側には本物の頭骨が入っているのでこの巨大さが誇張したものではない事が分かります。

 

その傍らであんぐりしてる「メガマウス」の剥製。この剥製、なんか見覚えがあると思ったら以前「油壺マリンパーク」で展示されていた剥製でした。閉館後は科博に寄贈されていたんですね。常設希望。

 

2014年に行った時の記事↓

 

 

「ホオジロザメ」の剥製もデカイ。海でこんなの絶対会いたくない。

 

他にもいろいろと。

 

 

個人的に好きな魚の「トクビレ」。水族館で生きたトクビレを見た時はちょっと衝撃でした。剥製だとちょっと骨ばった感じですけど、実際は非常に美しい魚です。

 

液浸標本もたっぷり。

 

私の推しは「クマナマコ」。標本でもカワイイ。

 

 

 

 

科博が製作したドキュメンタリー映画「スギメ」で使用された丸木舟の実物。

映画はアマプラで視聴しましたがなかなか面白かったです。

 

無人深海探査機「ハイパードルフィン」実物。メカメカしさがたまらん。

 

2016年に駿河湾の深海で発見され2021年に新種認定された「ヨコヅナイワシ」の液浸標本。

2m以上の個体も確認されているそうで、駿河湾の最深部にはまだまだ未知の生物がいるわけです。たまらん。

 

という事で堪能しました特別展。ホント、科博の特別展の内容密度の濃さは毎回凄まじいです。すごく楽しいけど正直見終わった頃にはクタクタです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、先日科博が目標額1億円のクラウドファンディングを募った事が話題になりました。

科博には上野の本館はもちろんつくばの施設にも膨大な標本資料が保管されていますが、昨今の物価と光熱費の高騰からこれらの保全や館の運営が困難になってきた状況を受けてのクラファンでした。

1億円という高額なクラファン自体も話題になりましたが、募集開始後わずか9時間で目標額を達成した事も話題になり、8月11日現在では既に5億円強の金額が集まっています。

 

今回のこのクラファンは国立の博物館ですら苦しい運営状況にある事を世間に知らしめたと共に科博を応援してくれるファンがこんなにも多く存在しているという事を広く知らしめる結果になったと思います。科博がこれほど多くの人に愛されているという事実は同じく科博ファンである私自信も嬉しく思いましたし、同時にちょっと感動もしました。

 

がしかし、これは美談にしていい話しでは決してありません。科博は「国立」と付いてはいますが実際には独立行政法人の博物館です。とは言え曲がりなりにも館名に「国立」を冠し海外からの観光客も多く訪れる日本を代表する博物館の運営危機に対して国が全く無関心であるというのは非常に由々しき事態だと言えます。

科博の収蔵資料や標本は日本の歴史そのものと言えるものであり日本国民にとっての財産でもあります。その財産の保全危機に対して国が何の関心も示さないというのはもはや日本政府が日本という国を捨てる行為と言っても大袈裟ではないと思うのです。

「独立行政法人」という立ち位置は政治に利用されづらいという意味では利点でもあると言えますが、逆に言えば何かあっても政府は助けてくれないという事が今回はっきりしたわけで、ホントこの国の政治家さんは科学や文化というものに対して1ミリも興味が無いようです。文科省の存在意義って何でしょうね?。まぁ昔からその風潮はありましたけどね。

 

折しも自民党女性議員の団体が研修と称してフランス観光(でしょ?)していた事が大炎上した直後のタイミングだったので、余計に科博のクラファンと対比されSNS等でさらに批判を浴びていましたが、まぁそりゃそーだわとしか言えませんね。

「大阪万博は国の威信をかけて成功させなければならない!」とか戦時中のような事を2Fさんが仰られたという報道もありましたが、これも果たして誰のために成功させなければならないのかと。利権の匂いがプンプンして胸やけしそうです。

 

コロナの影響がやっと落ち着いたと思ったら今度は物価と光熱費の高騰。このダブルパンチは科博に限った話しではなく、国民の生活に直結する問題であるにも関わらず政府から出てくる話しは増税と何の役にもたたない政策の話題ばかり。

利権の産まれるところには惜しみ無く税金を投入し、利権の絡まない博物館の困窮にはだんまり。これが今の日本政府の姿です。

 

怒りに任せてつらつらと書き連ねましたが、取り敢えず科博のクラファン、私個人はまだ参加してませんが11月まで続くそうなんでそれまでに何か協力したいと思ってます。

今お金が何億集まったところでこの先の収支が安定しなければ恒久的な問題ですからね。何かの折りに際して協力出来ればと思います。