「ザ・バットマン」、見てきました。
※以下、多少のネタバレがあるかも知れません。
予告編の雰囲気から多少ダークナイトに似た感じなのかな?と思ってましたが、クライムサスペンスだったダークナイトをもっと現実味のあるビジュアルにしてサスペンス感を強くした感じ。面白かったです。
今回のバットマンはブルース・ウェインがまだ若い設定でバットマンになってからも2年ほどしか経っていない頃の物語。尚且つ「探偵」としてのバットマンが描かれているという事もあって、「ヒーローもの映画」というよりも普通にサスペンスものを3時間見たという印象が強かったです。
故に今までのバットマン映画(89年以降の実写映画)と比較すると個人的には「主人公は”バットマン”でなくても成り立つストーリー」という印象もありました。
ただこれは元々のコミックに於けるバットマンが「探偵もの」だった頃に回帰しての映画化という側面があるようで、今回はその部分を強く前面に出したがためにヒーローっぽさが薄れたのかなとも思います。
まあそれはそれで映画としては面白いんですけどね。個人的には「ダークナイト」くらいの現実と虚構のバランスが好きかも知れません。
パート2が作られそうな雰囲気もあるので(スピンオフのドラマは決まってるらしい)、その時はバットスーツもアップグレードされてもう少しヒーロー映画ぽさも増してくるのかも?という気もしました。まあどういう方向に作風を振るかは分かりませんが期待はしたいところです。
映画は暗いシーンが多くてバットマンの出番が多い割にはバットスーツのデザインが分かる場面があまり無いんです。もう少しちゃんとスーツが見たいなあ、と思ってたらなんと渋谷のトイサピエンス東京で実物のスーツを展示中!マジかっ!ということで映画を見た翌週に行ってきました。
いつの間にか移転してたんですね、トイサピ。原宿駅からの距離感は移転前と同じくらいでしたが移転後は渋谷駅からも歩いて行けます。
店内は以前よりも広くなっていて通路が歩きやすくなってました。トイサピは週末行くといつも混んでる印象でしたが、私が行った日はそれほど混んでなく店舗も広くなった分ゆったり見れました。スバラシイ。
いつの間にか名古屋と大阪にも店舗を広げたトイサピでは東京と合わせた3店舗同時に「ザ・バットマン」公開記念の特設コーナーを展開中。バットマン関連のフィギュアやグッズ販売をしています。
で、東京店でのみ撮影に使用されたバットマンとキャットウーマンのコスチューム、バットサイクルの実車が展示されています。展示コーナーも以前の店舗より大きくなってます。
そしてお目当ての本物バットスーツとご対面。は、いいんですが…。
ガラスがね…、分かるんだけども、仕方ないんだけども、ガラスがね…。映り込みが厳しい…。
パッと見てまず思ったのは、黒くない。マスクとマントは黒いんですがスーツそのものは微妙に緑がかったシーグレーのような色あい。意外に明るめの色あいで驚きました。劇中では暗いシーンが多いせいで黒く見えるんですかね。
マスクは革生地を縫製で繋ぎ合わせたような作りでパーツごとに縫い目があるのが特徴的。
これまでのバットマンのマスクは全体がラバーぽかったり、ダークナイトでは衝撃で割れるようなやや硬い材質に見える表現をされていたので、この手作り感強めのマスクは新鮮です。
個人的に目を引いたのが首の部分。首自体はマスクからの延長でこの辺はマイケル・キートン等のバットスーツと似た感じですが、喉元の部分は細かいパーツ分割で多少動きやすさを重視したようなデザインになってます。さらにその周りを襟状のパーツが覆っていて、この辺は新しいアプローチ。ダークナイトで頭部と首が繋がったマスクは「首が回しにくい」という理由で頭部と首を分割したデザインが出ましたが、また違うデザインで同じ効果を狙った試みでしょうかね。
マントの取り付け位置もデザインに対して自然な流れで付いていて好きです。
スーツそのものも基本的に縫製で作られていて軍用タクティカルスーツをアレンジしたようなデザイン。
今迄のバットスーツはマスクと同様に全身ラバー製だったり、チタン繊維に硬化ケブラー製防具だったりけっこうガチガチのスーツでしたが、今回はちょっと市販品で改造できそうな雰囲気のスーツです。
劇中でちょっと「オー、」と思ったのが胸のバットエンブレムを取り外して手持ちナイフとして使用していたところ。蝙蝠の羽先に見える部分はちゃんと金属の刃になってるのが芸コマ。バットラングとしても使ってたかな?
ベルトに関してはタクティカルベルトそのまんま。これはこの実物自体も市販品とか軍の払い下げ品から流用しているんじゃないかと思えるんですが、デザインして作ってるんですかね?
ボーガンの矢のような物が沢山付いている腕の装備品は劇中でちゃんと使ってた記憶が無くて用途がいまいちよく分からなかったです。
これも劇中で気になっていたレッグバッグ。何が入っているのか劇中でも定かにはしてません多分。
過去のバットマンでは殆どの装備品を専用のベルトに取り付けて携行してましたが、今回のベルトは本当にただのベルトなので持ちきれない分をレッグバッグに収納してるんですかね?
これもなんか普通に売ってそうな感じのバッグに見えます。
このグローブもほぼタクティカルグローブのまんま。手甲に何かの端末的な物が付いてます。
足元はロングブーツでは無いようで編み上げの軍靴にゲートルを付けてブーツっぽく見せている感じ。
確かに足首の動きは阻害されなくて動きやすそうです。
今回のバットスーツはとにかくタクティカル (←言いたいだけ)。全体的に軍装品の流用に改良を加えた感じで、リアリティ重視でデザインされているように感じましたが、これはこれでカッコイイです。
これをプロトタイプとするならばパート2が作られた時は過去作のようなバットスーツが登場するのか、それともまた違ったアプローチのスーツが登場するのか。そこも楽しみなところです。
バットスーツの事ばっかりになってますが、キャットウーマンのコスチュームも展示されてます。
「バットマンリターンズ」や「ダークナイトライジング」と同様のジャンプスーツタイプのコスチューム。この辺りは受け継がれてる部分でしょうかね。ある程度着古したような革の風合いがイイ感じです。
今回個人的にちょっと”ビミョー”なのがニット製のマスク。ガッツリネコ耳もあざといんでそれ風に見えるアレンジは上手いと思うんですが、「鼻だけ隠れる」マスクは何か意味があるんだろうかと。その点では「ダークナイト」版キャットウーマンのゴーグルを跳ね上げるとネコ耳に見える演出のが好きですね。
今回のバットサイクルは劇中では特に特殊な性能があるとかでは無く、ただのバットマン専用バイクくらいの登場です。バイクとしては独特なフレーム形状のように思うんですが、見た感じも武器が搭載されてるわけでもなくちょっと変わった形のバイク程度。もうちょっと活躍場面があってもよかったかな?
普通のバイクに比べて後輪がかなり後方にある独特なスタイル。「ダークナイト」のバットポッドが独特過ぎたんでかなりフツーに見えてしまいます。カッコいいんですけどね。
私がバットマンにハマった大きな理由は他ならぬ「バットスーツ」の存在があったからです。
1989年のティム・バートン監督作でのバットマンがあのデザインでなければそこまでハマる事はなかったでしょう。私はそれまでのアメコミヒーローのコスチュームに対して「全身タイツ」のイメージが強かったんですが(スーパーマンしかり、66年のバットマンも)、89年のバットマンは黒基調のラバースーツにプロテクター、多数のガジェットを駆使する戦闘スタイル。こんなのね、萌えるワケですよ。
ブルース・ウェインが特殊能力を持たないただの「人間」であるが故に独自の装備で武装するというところが男の子としては萌えるワケです(オジサンになった今でも萌えてますが)。ブルース・ウェインが大富豪という設定もいい。資金面を気にせず何でも作れるしね。その点はアイアンマンとも共通する部分ですね。現実の金持ちは嫌いだけどね!(←妬み)
89年のバットマンがあのデザインでなかったら現在まで度々バットマンの映画が作られる事は無かったでしょうし、後のヒーロー映画にもデザイン面で多大な影響を与えていると思います。
「バットマン リターンズ」を経てのシリーズ3作目「バットマン フォーエバー」に於ける、ヴァル・キルマー版のバットスーツ。写真は「ソナースーツ」と呼ばれるプロトタイプという設定でこれもかなり好き。
ヴァル・キルマーは身体はデカいんですがスタイルがいいので(当時は)、マイケル・キートンよりもスマートに見えるんです。適度に若いのもいい。バットマン俳優の中では一番好きかも知れないです。
右側はトイサピエンスで展示されていたホットトイズの1/6フィギュア。欲しいなあコレ…。迷ってます。
次作「バットマン&ロビン」のスーツはデザイン自体はヴァル・キルマー版と似てるんですが、胸のバットエンブレムも黒くなり完全に黒一色になってこれも好きです。ロビンのスーツも前作のコミックを意識したカラーリングからスタイリッシュなデザインに一新されてこれも好き。
当時物議を醸した”乳首”も私はあまり気になりません。映画自体は残念なんですけどね。
「バットマン ビギンズ」ではこれまでのバットマン映画には無かった「スーツが出来るまでの過程」が描かれ、「ダークナイト」ではその改良版スーツとしてこれまでにないデザインのスーツが登場しました。
改良版のスーツは東京コミコンでも3回ほど見てますが、何度見てもカッコいい。好きです。
「バットマンvsスーパーマン」では恰幅がよくて無精髭のバットマンというコミックに寄せた雰囲気になり、スーツもどことなく粗野な雰囲気のこれまた今までに無いタイプになりました。
個人的に一番納得出来ないのが「耳の長さ」。短すぎるんですよね。納得できません。
後半に登場する「アーマードバットマン」のスーツ(上の左)は単純にカッコいい。”重武装”は男のロマンです。耳の短さが気にならない。「ジャスティスリーグ」のゴーグル付きスーツ(上の右)もいいですね。
昨年六本木ヒルズで開催された「DC展 スーパーヒーローの誕生」は神イベントでしたね。
厳密には全種類ではありませんが、計7体のバットスーツの展示。その他大ボリュームの展示数でかなり贅沢なイベントでした。緊急事態宣言で一度しか行けなかったのが悔やまれます。