森美術館「未来と芸術展」 | カ素ブログ

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明けましておめでとうございます。いつのまにか明けてました。

正月はどこにも行かなかったので、以下は去年のおでかけリポートになります。

 

 

 

森美術館で開催中の「未来と芸術展」に行ってきました。現代美術と言えばの森美術館。

 

タイトル通り、テクノロジーの進化が芸術と結びつく事で未来の環境や生活、人間そのものに及ぼす影響を予測し垣間見る企画展。な感じです多分。

 

建築アーティストによる未来の都市構想。自然物と同様に都市そのものも有機的に変化し、バイオ技術によって環境に負荷を与えず同時に社会構築もしていくという、ある意味理想的な都市の形といったところでしょうか。

 

上が海上都市でこちらは空中都市。空中浮遊のシステムは説明無かったなあそういえば。

 

都市における拡張現実のシミュレーション作品。

こういうのを見るとインターフェースももっと感覚的になって人間の五感のひとつみたくなっていくのかもと思わされます。

 

まさしくそういう未来を描いた映画作品の紹介なんかも。全部見てるよねもちろん。

 

キャプション見忘れて何を表しているのかよく分かりませんが、とにかくインパクト強い作品。

 

 

こういうのダメな人はダメかもね。私は興奮してます。こういうの大好物。

 

3mくらいある大きなオブジェ。取り敢えず形がモニョモニョしてて面白い。これも都市と自然の融合をテーマにした建築概念モデルです。

 

テクノロジーで自然物を解析し都市空間に取り込むという発想はバオイミメティクス(生物模倣)をより大規模に発展させた感じでしょうか。

 

なんだこれと。

 

「気分の建築」。住人の心理・生態学的情報を収集・解析しパラメーターにしたデータを建築設計に取り入れ、それを元にロボット(上のヤツ)が自動で施工。設計士の意思は存在せず、住人の理想が建築物の完成に大きく反映されるという新しい建築概念。なんかすごいな。

 

食生活に於ける未来、人工培養で新しい食材を造る事でこれまでに無いメニューや創造、更には食習慣も変わってくるんじゃね?という作品。食糧問題や動物資源問題の解決も見込めるという点ではあり得る未来かも。食用ゴキブリなんかもありました。色んな味のゴキブリ。

 

未来の寿司マシーン、のコンセプトモデル。マンガみたいだけど店の開店準備が既に計画中とか。

魚など動物資源を使わない環境にやさしい寿司。日本じゃ人気出なそうね。
 

バイオ技術の進歩によって人間そのものがデザインされていくという未来の可能性を示唆する作品。

特定の目的を持って外科手術や遺伝子組み換えなどでデザインされた人間は倫理的にどこまで許されるのかという問題提起で企画展は締められます。

 

他にも印象的だった作品として、今後情報化がさらに進み個人情報の管理や危機管理の判断をAIに委ねるようになった未来。自動運転の車が事故に直面した時に運転者を優先するのか、または歩行者が社会に影響力を持つ人物だった場合そちらを優先して運転者を危険に晒すのか。というシミュレーション作品もありました。

AIが難しい判断を迫られた時に何を正解とし、それは人間にとって本当に正解なのか?それの責任はどこに求められるのか?非常に興味深い問題提起です。

 

今回の企画展、非常に面白かったです。現代美術というよりは、技術やテクノロジーの進歩が社会や人間にもたらす影響をシミュレーションした展示という感じで非常に刺激的な企画展でした。

 

 

 

「森美術館」公式HP → https://www.mori.art.museum/jp/index.html

3月29日まで開催中です。