森美術館「塩田千春展:魂がふるえる」 | カ素ブログ

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六本木の森美術館で開催中の「塩田千春展:魂がふるえる」を見に行ってきました。

 

いきなりもの凄い空間へ。この一室を夥しい量の赤い糸で覆いつくしたインスタレーション。

こういった没入型インスタレーションは塩田氏を象徴する作品のひとつだそうです。

 

船型から伸びる大量の赤い糸は「不確かな旅」を表現しているそうですが、個人的には毛細血管のひしめく体内のようにも思えます。母胎回帰か、インナースペースか。

 

 

こういうイマーシブインスタレーション、非常に好きです。現実逃避できる。

 

 

 

今度は黒い糸がビッシリの空間。意味を考える前に取り敢えずスゴイ。

 

グランドピアノは燃えています。

 

 

また個人的な印象ですが、こっちは非常に生物感、生命感というか。どんな環境でも逞しく強かに繁殖し、空間を侵食していく「菌類」のような存在を感じます。綺麗事じゃない生々しい生命感。

 

塩田氏の作品はインスタレーション以外にも立体作品や写真、映像、ドローイングなど多岐に渡ります。

パフォーマーでもある塩田氏の映像や写真作品も印象的でした。自身の病気や出産の経験も作品に反映されているとの事で、血や皮膚など人間の生々しい部分の表現が強めに思えて、見る人によっては嫌悪感を催すかもくらいには感情に訴えてきます。

 

女性の方が「人間」の生き物としての生々しさを男よりもリアルに認識してるんじゃないかと個人的には思っています。そういうとこ、男の方が夢見がちと言うかいつまでもガキよね。

 

 

大量のトランクが赤い糸で吊るされたインスタレーション。ここも「ウゥワッ、、、」てなります。

 

 

吊るされたトランクは常に揺れていてトランク同士がぶつかる音が微かに聞こえてます。

 

見ているお客さんが老若男女様々だったのが印象的でした。

タイトルに「魂がふるえる」とあるように感情を直接刺激されるような作品多数で、その揺さぶられる感じが非常に気持ちいい展覧会です。かなり良かったです。

 

 

「森美術博物館」公式HP → https://www.mori.art.museum/jp/index.html

 

 

 

森美術館のチケットで東京シティービューへ。この景観にも芸術性を感じるのは美術館に行ったからでしょうかね。気のせいでしょうかね。