舞台美術家・島次郎さん
舞台美術の第一人者、島次郎さんのデザインした舞台美術写真を収めた、
素敵な本が届く。
本に挟まれた、一緒に舞台を創った皆さんへという感謝のメッセージは、
とても島さんらしく、それだけで感動する。
開くと、わぁーっと広がる1986年川村毅作『ラスト・アジア』の舞台美術写真。
わぁーっと当時の記憶が蘇る。
数々の舞台のこと、島さんのこと、想いが巡って。
出版お祝いと御礼のお手紙をかかなくちゃ!
と、
この本を贈られた数多くの演劇人みんなも思ったであろう折の、訃報。
島さんっ カッコよすぎっ
と口にしたら涙が溢れてしまった。
ティーファクトリーを立ち上げて試行錯誤を重ねながらの三年目から、
川村毅のターニングポイントの一つとなる <神なき国の夜 三部作>
を島次郎さんとともに創った。
これはぜひ島さんに連作の世界観を創って欲しいなあと思って。
依頼した電話口、「待ってました!」 と快諾してくれた島さんの声。
これからも時がきたときお願いしたらきっと同じように応えてくれると思っていた。
島さんの作品は、大きな劇場で王道の舞台の印象が強いかも知れないけれど、
わたしたちのような小さなカンパニーの舞台も全力で、
決して お金が無いから出来ない などと言うことはなく、
それを理由に手を抜いてると見做した大道具さんや演出部には容赦なく、
本物の本当の演劇人だったひとなのです。
もっともっと近しいひとやカンパニーはあるので、わたしなぞが語る必要はないんだけど、
島次郎さんとティーファクトリーが共に創った時間も記録したくて書いてみました。
もっともっと書き記したい思い出や感謝の念はいっぱいあるけどきりがなし。
これは2006年12月『黒いぬ』京都芸術劇場春秋座公演時の舞台稽古の、
島次郎さんと川村毅
おつかれさまでした。
合掌。