神も深く眠る大地 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・






美瑛は北海道の中ほどに位置し、田畑や野原や牧場が広がり、素朴で美しいヨーロッパ風の街並みも備えている。美瑛は光と色彩の大地であり、長い歳月の間、人に知られることなく静かに四季が巡ってきた大地であり、種蒔きと収穫、労働と喜びを含んだ大地であり、神すらもここでは深い眠りについているように静かな土地である。

美瑛の美しさは、写真で記録するのが難しい。その美しさは、広さの中に、静けさの中に、そして流れる雲が平原に描く影の動きの中にあり、こうしたものは写真の濃縮された静止画面では表現することができない。美瑛に行ったことがない人は、カメラマンのレンズの中の風景を見て、その広さと色調に感嘆する。しかし彼らは、丘の上に立って見上げた時の無限に広がる青い空と、眼下に果てしなく広がる金色の平原の大きさも、山道を曲がった瞬間にまったく違う色の斜面に出会う驚きも、四角形に分割された土地に異なる作物が植えられ、まるで大きな布でパッチワークをしたような畑の間に、シンプルな造りの素朴な木の小屋が立っているのを見た瞬間に湧き上がる、心の静けさとやすらぎを見つけた感動も得ることはできない。


美瑛には花畑があり、ラベンダーとひまわりが最も有名である。七月と八月は花がいっぱいに咲き、青池の湖水も冷たく美しいブルーになってまるで鏡のようであり、白みを帯びた松の枝が映って、まるで静謐な油彩画のようである。この期間、美瑛は観光シーズンを迎え、あちこちからの観光客が絶えない。美瑛駅を境として、西側には観光客の絶えない花畑と青池があり、面積の広い東側には農家の田畑や林が広がる。西側は鮮やかな色の花が咲いて明るく生き生きした雰囲気であり、東側は広い田畑が広がる素朴な雰囲気だ。観光用の自転車をレンタルして丘を走れば、あたり一面、柔らかい色調の純粋な色彩が広がり、自然と生命の持つ力と美しさがゆったりと流れている。これらのすべてに向かい合うと、心の中が穏やかに満たされ、ゆったりと透明な気分になり、すべてのネガティブな気持ちが浄化されて天と地の間に自然に溶けて行くような気分になる。まさに「この中に真意あり」(陶淵明の詩の一節)といった境地である。


美瑛に行ったことがある人は、心の中に美瑛への特別な思いを持つようになる。その後に苦労や曲折があったり、煩わしいことに巻き込まれたりしても、心の中には常にこの純粋で美しい場所の思い出がある。そのため、美瑛を訪れた人の多くは、いつか再び美瑛に帰ってきたいと言う。心の故郷である美瑛は、「行く」場所ではなく「帰る」場所なのである。














社団法人美瑛町観光協会 http://www.biei-hokkaido.jp/