シャープのバレンタイン携帯 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・






西暦270年2月14日、聖ウァレンティヌスが、当時の婚礼禁止令に違反したためにローマ皇帝に処刑された。これが「バレンタインデー」の由来である。現在バレンタインデーにチョコレートを贈ることは、恋人同士、あるいは恋人でなくても知り合いの間で気持ちを表すための大切な方法になっている。しかしよく考えてみると、聖ウァレンティヌスが世を去った3世紀には、カカオ豆はアフリカにしかなく、ヨーロッパには「チョコレート」というものは存在しなかったのだ。では、バレンタインデーとチョコレートはどこで関連づけられたのだろうか?1960年、日本の菓子製造会社の森永製菓が、バレンタインデーに大きな広告を出して、「愛している人にチョコレートを贈ろう」と呼びかけた。5年後には百貨店の伊勢丹がバレンタインチョコレートの大型販売イベントを行い、ここで「バレンタインと言えばチョコレート」という社会的印象が徹底的に打ち立てられた。つまり、「バレンタインのチョコレート」は、すべて日本のメーカーが作り出したものだったのだ。このバレンタインデーの習慣と、もう一つ定着に成功した「ホワイトデー」は、現在世界の多くの国で新しい習慣となっている。
 

日本は「チョコレートのバレンタインデー」の発祥の地であるから、バレンタインデーがやってきたら、チョコレートという要素を極限まで発揮させることは、日本企業が当然やるべき義務であるとも言えるだろう。去年のバレンタインデーには、BMWが日本市場向けに作ったチョコレートの自動車をご紹介したが、今年は日本の大手携帯メーカー、シャープがちょっと変わったチョコレートの形のスマートフォンを発売した。
 

この携帯の名前は「Q-pot」と言って、シャープのスマートフォン、AQUOS PHONE f
SH-13Cをベースに改造したものである。最大の特徴は、どこから見てもチョコレートに見えるということだ。チョコレート形の本体、チョコレート形のデスクトップテーマ、チョコレートの箱のようなパッケージ……ケースや塗料に特別の材料を使用し、触ってみても本物のチョコレートのような感触である。そればかりか、このチョコレート携帯には様々なチョコレートをテーマとしたストラップやケースもついている。こうしたアクセサリの造型も非常によくできている。無線充電と800万画素レンズも優れた点である。唯一不足なのは、アンドロイド2.3の操作システムがやや古いという点だ。それでもバレンタインデーにはものすごい人気で盛り上がり、予約しなければ、バレンタインデー当日に手に入れることができなかったほどである。シャープは3万台販売の予定だったが、殺到する予約にとても対処しきれず、5万台に増産してようやく市場の需要を満足させることができたのだった。













Q-pot http://www.q-pot.jp/jp/special/sh04d/