江戸ってなあに? | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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2011年に日本で話題になったテレビドラマ「JIN-仁-」をみなさんはご覧になりましたか?これは、現代のお医者さんが時空を越えて江戸時代に行くという物語です。ドラマの中では、ヒロインが夕陽を見ながら主人公に「先生、未来の江戸も美しき町ですか?」と尋ねます。みなさんは私と同じように、この「江戸」が何を指しているのだろうかという疑問を持ちませんでしたか?

簡単に言うと江戸とは東京の昔の名前で、江戸幕府の所在地です。現在の東京都千代田区を中心とした区域が江戸です。昔、ここは武蔵国豊島郡の一部に過ぎませんでした。平安時代末期に、秩父平氏の一族だった江戸氏が現在の皇居の場所に屋敷を建てました。室町時代中期には武将の太田道灌がここに江戸城を築いて、墨田川の改修工事を行い、それによって江戸は関東の水運と陸運の中心になりました。そしてこの地区は、城下町として発展していったのです。さらに、天正18年(1590年)に徳川家康が入城してからは、幕府の所在地とされ、さらに繁栄していきました。18世紀前後の江戸の範囲は、東は亀戸、西は新宿、南は大崎、南品川、北は千住、尾久周辺まででした。幕末の総町数は2700あまりで、推定人口は100万人以上でした。江戸という名前は、慶應4年(1868年)の7月に東京と改称され、翌年に首都となりました。江戸時代の徳川家の居城であった江戸城は、現在の皇居です。


日本の歴史を研究する人でなくても、たぶん「江戸時代」という言葉は聞いたことがあると思います。江戸時代は、徳川家康が征夷大将軍に任命された慶長8年(1603年)から、徳川慶喜が大政奉還を決定して将軍の職を退いた慶應3年(1867年)までの、徳川幕府の264年間です。江戸で生まれて江戸で育った人は、「江戸っ子」と呼ばれます。彼らは、人情味があって、さっぱりとした性格で、正義感が強い一方、ややそそっかしいところがあり、気が短いのですぐけんかになります。現在の東京人がきちんとしていて礼儀正しいのを見ると、昔の江戸人の気質を想像するのが難しいですね。


そうそう、以前日本の街で「江戸前寿司」と書かれた寿司屋を見ましたが、江戸前とはどういう意味なのかずっとわかりませんでした。調べてみたところ、江戸前とは江戸の前の海を指し、特に品川付近の海を指すそうです。また、江戸湾(東京湾)で取れた新鮮な海産物も指すので、「江戸前寿司」とは、東京湾の海産物を材料とし、握りずしを中心とした、寿司職人の作る江戸の郷土料理のことなのです。次回、みなさんが新鮮な刺身の握り寿司を食べたいと思ったら、「江戸前寿司」に行けば間違いがないでしょう。(哈日杏子執筆・撮影)














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