「萌え化」という言葉からわかるように、この言葉は日本の秋葉原文化に起源があり、すでにかなりの歴史を持っている。生活の細部から素材を探し出すのがうまい日本の描き手たちは、コーヒーカップや灰皿から飛行機に至るまで、可愛い少女の姿に変えてしまう。日本の書店では、「萌え化」をテーマとした本がいつもトップランキングに挙がっている。例えば、歴史上の人物をすべて女性にして描いた「歴史的人物の萌え化」、萌え系少女の姿で各大学を紹介した「大学生図鑑」、さらには各種の萌え化学習参考書などもある。そのうち、2004年ごろに出版された「萌える英単語」シリーズは非常に有名で、「もえたん」と呼ばれ、英語学習に悩むオタクの男性たちを救済している。 昨年末に開催された第81回コミックマーケット(Comiket81)では、人気の高い同人漫画家「モエストロ」さんが最新の「萌え化」作品を発表した。テーマは、「本当はかわいい東京の超高層ビル」である。表紙は爽やかなイメージの明るい少女だが、帽子とワンピースのデザインが、池袋の高層ビルを模している。そう、この本の目的は、日本や世界各地の有名な建築物を「萌え化」することにあるのである。実はこの本は、「モエストロ」さんが前回のコミックマーケットで発表した「東京の電波塔がこんなに可愛いわけがない」の続編なのだ。この二冊の本をめくると、「萌え化」したスカイツリー、六本木ヒルズ、NTTドコモ代々木ビルなどが次々に出てくる。そればかりか、北京の国貿大廈、上海の環球金融中心、広州タワー、香港の環球貿易中心、台北の101ビルなど、中国の大都市のランドマーク的高層ビルも「萌え化」されて掲載されている。 |
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