Mashup(マッシュアップ)は、科学分野で生まれた、コンピュータアプリ開発の新しい風である。開発者はWeb APIによって、すでにあるデータベースを整合させ、自分が必要な新しいWebアプリケーションを作り上げる。2006年に第一回のMashup Awardsが行われてから、今年で七回目になる。この日本最大のWebアプリ開発コンテストは、「人々が幸せを感じる交流サービスを提供する」ことを主旨としており、ユーザを活発に交流させる新しい作品が生まれることが期待されている。だが、英語サイトを開設し、海外からの作品応募を受け入れるようになったのは今回が初めてだ。参加者には天才的な高校生から大学教授までがいて、多くの「英雄たち」が引き付けられているのだ。
今回のMashup Awardsの結果は、12月11日に発表された。その中で最も注目を集めた賞は、もちろん最優秀賞である。この栄冠を勝ち得て100万円の賞金を手に入れようと思ったら、企画もアイデアも技術も百戦錬磨の達人でなければならない。まず国内外500件の参加作品から5件がノミネートされ、最終的に会場でプレゼンが行われ、審査員の投票によって受賞者が決定される。多くの中から選ばれたえり抜きの作品というわけだ。
最優秀賞を受賞したのは、株式会社ignoteの「ミブリ・テブリ-QUIZ kinect-」という家庭用ゲーム機用のクイズアプリである。口ではなくジェスチャーによって問題に対して「YES」か「NO」かをスクリーン上で答えるもので、新鮮な体験を与えてくれるアプリ作品だ。優秀賞には、100枚以上の被災地写真をGoogle Earth上にプロットし、被災前後の状況を比較することのできる「東日本大震災アーカイブ」、iPhoneで家族や友だちと同じ時刻を共有できる「alarm everyone」、電子メニューと情報の伝達を行う自動計量スプーンの「smoon」、従来のリスト形式で友だち情報を保存するのではなく、マップ形式で連携させ、密接な関係の友だちをわかりやすい位置に置く「engraph for Android (BETA)」が選ばれた。すぐにも試してみたい作品ばかりである。
この他、注目されるものには「PowerAppsJAPAN賞」に選ばれた、地震の被災地に物資を送ることで心を伝える「Toksy」がある。また、MUP48賞を受賞した「My365」は、IT業界で働く女性たちが選出したアルバムアプリで、美しく加工する機能も備え、ワンクリックでカレンダーに載せることによって毎日の記録ができる。他にも70以上の賞があり、これらの作品からは、人間本位、利便性、コミュニケーション性などのキーワードが感じられる。2011年の漢字「絆」で概括されるように、この変化の多かった一年は、Mashup Awardsによって、人と人との「絆」がさらに深められた一年だったと言えるだろう。
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