永遠に失われることのない童心 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・


先週の水曜日(8月3日)、世界のドラえもんファンたちは、再び大きな熱狂に包まれていた。一か月後の「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」の開館に先駆けて、藤子・F・不二雄さんが描いた「ドラえもん」 がペイントされた列車「小田急F-Train」が、小田急線で運行を開始したのである。列車は10両編成だが、各車両の図案も異なるし、同じ車両の両側の図案も異なる雰囲気になっている。ドアは「なんでもドア」のようなデザイン、車内は漫画関連のポスターがいっぱいで、つり革にもキャラクターが付いている。ミュージアムでも、ドラえもんの付いたシャトルバスのデザイン画や実車の写真を公開している。中国、香港、台湾のファンたちには、にぎやかな開幕式を見るために、さっそく飛行機チケットを予約した人も多いだろう。

今年の4月、サーチナ総合研究所が中国の3000名のユーザ(男女半々)に対して、おもしろいネット調査を行った。「日本のたくさんの流行文化の中で、何がいちばん好きか?」という質問に対して、何と71.1%のユーザが「アニメ、漫画」と答え、42.8%が「テレビドラマ」、35.8%が「音楽」、2.6%が「テレビゲーム」と答えたそうだ。

大学入試の前の年、漫画の神様、手塚治虫の古典的作品「鉄腕アトム」が初めて中央電視台で放映され、続いて「一休さん」が放映されたのを覚えている。統一試験の日が近づいていたし、友人の中には白黒テレビしか持っていない人もいたが、我々の世代でこの二つのアニメの主題歌を歌えない人はほとんどいない。その時の、初めて目を見開かされた興奮は、その後人気を博した「北斗の拳」「聖闘士星矢」「忍たま乱太郎」「ドラゴンボール」そして「ドラえもん」と共に成長した世代にも引けを取らないだろう。この半世紀の間、日本でも中国でも、「花の子ルンルン」「ちびまる子ちゃん」「ハローキティ」「クレヨンしんちゃん」などの日本のキャラクターが、国境を越え、時空を越えて活躍したのだ。

しかし、広い世代のファンたちが一斉にミュージアムの開館に注目している一方で、数日前にはこんなニュースが入ってきた。山口県宇部市のエコキャラクター「エコハちゃん」がピカチュウにそっくりなので、ネットで批判されているというのだ。だが、市の担当者は、このイメージが「オリジナル」だと主張し、着ぐるみの製造会社がピカチュウに似たものを作ってしまったので、その責任を追及したいとしている。しかしネットユーザの目を欺くことはできず、ファンたちの心はとても傷ついた。「エコハちゃん」の事件は、キャラクター自身を超えているのだ。このように創意にあふれる国民たちにとって、これはすべてのファンを失望させる事件だったと言わざるをえない。今後はこのような「偶然による誤解」が生じないことを祈るばかりである。

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小田急F-Train出発進行! http://www.f-train.info/
 川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム
 http://fujiko-museum.com/pc.html (英、日)