可愛くて思わず微笑んでしまうようなぬいぐるみやフィギュアを、日本ではあちこちで見ることができます。有名なものも無名のものも、アニメや漫画のキャラクターもゲームキャラクターも、どれもが形になり、商品化されて、日本人の生活の中にしっかり入り込んでいます。上は各地方政府から、下は民間企業まで、イメージやブランドのプロモーション活動をしようということになると、誰もが可愛いキャラクターを使って利益を得ようとします。観光客が名所旧跡に行くと、必ず大きな等身のキャラクター像があって、一緒に記念撮影ができます。こうした独特の「カワイイ」産業は、決してあなどれません。例えば、日本内外で人気度ナンバーワンのリラックマとハローキティの、市場における年間総収入はいずれも何千億円にものぼるのです。キャラクターは確実に、最も速く最も簡単に国際市場に参入できる媒体でもあります。可愛いキャラクターの造型と楽しい物語は、消費者との距離を一気に縮めてくれるものなのですね。 日本では、キャラクターが様々な営業活動に使われていますが、中でも私がいちばん面白いと思ったのはキャラクターの描かれた電車です。ある日私は、ある駅でぼんやりと電車を待っていました。すると銀河鉄道999の主人公の絵が描かれた電車がホームに滑り込んできたのです。不思議なことに、目の前の情景があっという間にソフトで可愛いものになってしまいました。驚いたことに、そこにいた日本人たちは何も感じていないようで、乗車する人も、次の列車を待つ人もいましたが、誰も特別な反応を見せません。つまり、子供の頃から漫画やアニメを見て育った彼らは、キャラクターと同じ空間に共存することに慣れているのですね。本物の人間やモノがキャラクターと一緒になっても、こんなに自然で調和した雰囲気を作り出せるなんて、日本でしかあり得ないことだと私は思います。 先日、浅草寺にお参りをしましたが、商店街ではいろいろなキャラクターのお面を売っていましたし、電車に乗るためにJRの駅に行くと構内ではあちこちでSuicaのキャラクターである黒いペンギンの絵が見られ、飲み物を買うためにコンビニに行くと、いろいろな大きさの可愛いキャラクターが印刷されたパンやクッキーなどの商品が目に飛び込んできました。まだまだあります。東京駅でお土産を買おうとした時、土産物店がまさにキャラクター商品の大本営だということに気がつきました。日本人は本当に、毎日キャラクターと一緒に生活しているんですね。まったくすごいことです!単調な生活であっても、こんなに可愛い同居者が一緒にいてくれたら、毎日はもっと楽しくなるに違いありません。(哈日杏子執筆) |
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