山手線の新しい座席 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

東京の人口は1300万人、面積は2100平方キロメートルである。小さな土地にこれほど多くの人口をかかえているのだから、交通機関の負荷の大きさは推して知るべしである。東日本旅客鉄道株式会社の統計では、JR東日本の2010年度の新宿駅における一日平均旅客数はのべ736,715人だったそうだ。電車は人々の過去と現在を載せ、車両の中の人々の姿はこの都市の縮図と言えるだろう。今回は、JR東日本の山手線の車両にどんな新しい変化があるか見てみたいと思う。


山手線は都心をめぐって運行し、一周回るのにかかる時間は61分である。全部で29の駅があり、通勤ピーク時の上野駅から御徒町までの人の流れが最大となる。混み合った車両の中で乗客に、より快適な座席を感じてもらうと共に、立っている乗客にも空間を作り出すために、JR東日本の先端鉄道システム開発センターと慶應大学理工学部機械工学科の山崎教授が共同で、新しい「実験場」を切り開いた。山手線の1両54席で、従来の座席を改造したのである。この新型の座席は6月28日に、東京の総合車両センターで一般に公開された。29日からは運行に投入され、耐用性や快適度などを検査し、新型座席を全面的に広めることができるかどうかを確認する。


新型の電車座席は中央が低く、左右両側が盛り上がっており、アーチ型の座席部分を形成している。背もたれは内側にくぼんでおり、上半身が両側に傾きにくく、包まれた感じになる。目を閉じると、BMWの座席にでも坐っているような気分だ。また、この新型座席は乗客の足の動く空間を制限し、お行儀の悪い乗客も、足を投げ出して他の乗客の空間を占拠することができなくなる。この座席はまだ試用段階にあるが、実際に使用が広まれば、居眠りをしても隣の人の肩にもたれかかって非難の目で見られることがなくなるという。座席に坐って頭が左右に揺れるに任せ、熟睡とうとうとの間を往復するのは、なかなか快適なものだろう。だが、座席が快適すぎて駅を乗り過ごす心配が出てくるかもしれない。

(C)East Japan Railway Company

Tokyo Guide 山手線 http://www.tokyoguide.net/tetudo/yamanote.html