地下鉄の可動ステップ | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

よく知られているように日本は自殺大国であり、自殺率は一万分の二に近く、これは世界第二位である。毎年3万人を超える人が絶望のうちに自らの命を絶っており、線路への飛び込みは自殺者が非常によく使う手段である。厚生労働省の自殺に関する調査によれば、自殺の発生率が最も高いのは仕事が始まる月曜日だそうだ。多くのサラリーマンが「ブルーマンデー症候群」になるが、それに加えて東京や大阪などの大都市の駅は非常に混雑しており、思いつめた気持ちが極限に達して、何の防護施設もないホームから飛び降りてしまう人が出てくるのだろう。5月23日の朝のラッシュ時に、一人の男性が秋葉原駅で飛び込み自殺し、入ってきた電車に引かれて死亡した。この事件で東京の交通がマヒし、46本の列車が遅延やキャンセルになり、10万人以上のサラリーマンが遅刻することになった。


防護施設が欠けているホームは、もともと自殺者に客観的な条件を提供して面もあるが、ホームで発生する人身事故の多くは自殺ではない。日本在住の中国人記者、薩蘇さんは、大阪の弁天町の駅で目撃したある事故について記事を書いたことがある。電車のドアに子供の指が引き込まれ、全線の列車が運行を停止し、子供は骨折してしまった。また、列車とホームの間には一定の隙間があり、乗り降りの時にうっかりすると隙間に落ちてしまいかねない。小さい子供なら、ホームから隙間に落ちてしまう危険もある。筆者も乗車する時に、持っていたボールペンを隙間に落とした経験がある。このような事故は毎年発生し、これは間違いなく設計面から生まれた安全の問題なのである。


客観的な原因によって人身事故が起きるのを防ぐために、東京メトロでは40億円を投資して、ホームの端に防護壁とホームドアを次々に設置している。さらにホームと列車の隙間の問題を解決するために、東京メトロは昨年、南北線、丸の内線、副都心線の前線の各駅、および千代田線、有楽町線の一部の駅のホームドアの下に、自動的に伸縮する可動ステップを取り付けることを決定した。電車が入ってくると、ホームドアが開くと同時に可動ステップが伸びて、ホームと電車の間の隙間を埋めてくれ、ホームドアが閉まる時に自動的に引っ込むというものだ。現在、一部の駅の可動ステップはすでに取り付けられて使用されている。来年中には、すべての可動ステップが取り付けられる予定だ。

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東京メトロ/駅の安全対策 http://www.tokyometro.jp/safety/prevention/station/index.html (日、英、中、韓)