台湾から届いた励ましのカード | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

ゴールデンウィークに、地震の被災地である岩手県大船渡市の小学生たちが、三百枚あまりのカラフルなカードを受け取った。これらのカードには、中国語で「十分な食べ物がありますように」「日本がんばれ」「元気を出してください」などの、いたわりや祈りや励ましの言葉がいっぱい書かれていた。そして隅の方には、日本語の翻訳もついていた。


これは子供たちが初めて受け取った、海外からの励ましのカードだった。カードに書かれた子供らしい可愛い文字は、彼らと同じぐらいの年齢の、台湾省桃園県中レキ市の中平小学校の子供たちの手によるものだった。これと同じころに、別の被災地、宮城県気仙沼市の小学生たちも、台湾からの三百枚あまりのカードを受けとり、台湾の子供たちからの励ましの言葉を読んでいた。これらのカードは、どのような経緯で被災地の子供たちに届けられたのだろうか?


台湾と日本の子供たちの橋渡しをしたのは、このメルマガでもご紹介したことがある、インターカルト日本語学校 に勤務する富樫史生 さんである。彼はかつて、世界一周、徒歩による台湾一周、長春から上海までの「自転車千里の旅」などの壮挙を成し遂げた人だ。富樫さんは台湾を徒歩で一周していた時に中平小学校の陳新平校長と知り合った。2005年にスマトラ沖で巨大地震が発生し、津波の被害があった時、富樫さんは陳校長と連絡を取って、台湾の子供たちに励ましのカードを書いてもらい、日本の小学生が書いたカードと一緒にタイのプーケット島に送った。当時、日本と台湾の子供たちが一緒に東南アジアの被災地を激励したということで、タイで話題になった。


今年の3月11日に東日本大震災が発生した時、中平小学校では直ちにそれに反応し、全校1476名の子供たちが励ましのカードを作り、3月26日には富樫さんの手に渡された。富樫さんはすぐに翻訳を始めたが、子供の中国語を子供の日本語にするのは簡単なことではなかった。しかも、多くの低学年の子供たちは台湾の注音字母(発音記号)を使って書いていた。20名あまりのボランティアの協力を得て、これらのカードの内容はようやく翻訳を完了し、ゴールデンウィークに大船渡市と気仙沼の子供たちに送られたというわけである。残りの数百枚のカードは、近いうちに福島県などの小学生たちに送られる予定である。

写真提供:富樫史生

海外から日本への支援まとめ http://matome.naver.jp/odai/2129996706247072601