ペットと飼い主の愛情 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

東北地方が大地震と津波に見舞われて三週間目に、行方不明者を捜索していた第3管区海上保安本部特殊救難隊の隊員たちは、ヘリコプターから信じられない光景を見た。宮城県気仙沼市から1.8キロの、残骸が浮かぶ海面に揺れているブルーの屋根の上に犬がいて、三週間飲まずくわずで寒風の中で震えていたのだ!今月の4日、この犬が主人の下に帰ったという奇跡のような話がテレビニュースで伝えられ、日本中の人々が安堵の涙を流した。


日本のペット好きの人たちもおそらくご存知なかっただろうが、これより前に、あるペットの安否について、中国の優しい人々の中に心配が広がっていた。「猫叔(ねこおじさん)、どこにいるの?!」異国のネットで多くの人がこのように呼びかけていたスーパースターの猫は、被災地区の岩手県に住んでいる。三日前にちょうど9歳(人間の50歳に当たる)の誕生日を迎えた「猫叔」が、突然の震災に遭遇したため、中国のファンたちは不安でいてもたってもいられなくなった。


震災から四日経って、「猫叔」がキャラクターを務める「通販生活」のサイトに、「かご猫シロちゃん(猫叔の正式名)の飼い主ご一家はご無事でいらっしゃいますので、どうぞご安心くださいませ。」というお知らせが出た。「新浪微博」ではすぐにこの吉報のつぶやきが現れ、9時間以内になんと一万回近くに転送された。現在震災の状況は次第に安定してきているが、中国のファンたちは今も毎日「猫叔」の行状を追跡し、原発の放射能に遭わないかと心配している。
 
ペットには何の罪もないのに、このような天災が起こると、これまで心を慰めてきてくれた犬たちや猫たちが、人々が避難する中で帰る家を失ってしまうということが起こる。これは大震災が引き起こしたもう一つの大きな悲劇である。地震発生後、たくさんの犬たちが原発施設の付近をさまよい、間違いなく放射線の被害を受けている。国際的な非営利動物愛護組織によれば、岩手県だけでも三万匹の動物が救助や世話をしてくれる人を必要としているそうだ。


そのため、マイクロソフトジャパンはMSNに「ペット検索」を開設し、被災動物と飼い主の再会を支援し、飼い主を失ったペットには新しい飼い主を捜すという活動をしている。また、被災地で活躍するボランティアの中には、動物救援センターから来ている人もたくさんいて、廃墟の中で犬や猫の行方を捜している。依然として多くの人々がおなかをすかせたり、帰る家がなかったりする状態であるため、彼らの行為は様々な非難を受けることにもなった。それに対して、動物を救援する人々はこのように語っている。「ペットを助けることは、実は人を助けることなのです。すべてのペットを愛する人々は理解してくれるでしょう。こうした災難を経験して、ペットと再会できたときの喜びを。」

(C)2011 NY Times Co.

東日本大震災動物救援活動 http://www.jpc.or.jp/saigai/  かご猫Blog http://kagonekoshiro.blog86.fc2.com/