琥珀色のほろ酔い気分 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

東京では、こんなに快適な動く歩道は他では見られないだろう。恵比寿駅から数百メートル続く「スカイウォーカー」の微かな揺れを感じ、両側をゆっくり通り過ぎていくユニークな広告を楽しみながら進む。動く歩道の先のアーチ型の出口の外に出ると、「恵比寿ガーデンプレイス」の時計広場に建つ、ヨーロッパ風のロマンチックなサッポロビールの建物の独特な雰囲気が、人々をその懐へと迎え入れてくれる。


巨大な緑色の屋根に覆われた三越百貨店、最上階には展望レストランのある39階建ての恵比寿ガーデンプレイスタワー。様々なジャンルを集めたレストランや、映画館、オフィス、写真美術館などが、この17年前に竣工した大型複合施設に集まっており、鯛を抱いた恵比寿様の像が、優雅な造形の恵比寿ガーデンプレイスと共に「日本都市景観百選」に選ばれている。


早くも1世紀前に、日本のビール醸造会社が、遥か遠くまで見渡せる畑の中に近代的なビール工場を建設し、その建築デザインがこの地の突出した革新性を示すことになった。現在の恵比寿は、東京で最もファッショナブルな流行の先端地域の一つに発展している。ヨーロッパ風のベンチで休息したり、犬を連れて散歩したりしている人たちは、あたりに100年前の濃厚な歴史の息吹が漂っているのを感じているだろうか?


人の背の高さより高い巨大なビールの缶が2本、ヱビスビール記念館の入口の両側に立っている。館内の見学では、大型の醸造容器に漂う香りに歴史を感じ、ヱビスギャラリー内の歴代の広告ポスターの中に若い頃の黒木瞳を発見し、最も新鮮な香りのビールを賞味できる。ここでしか買えないお菓子の味もまた格別である。また、個性的なビールの記念品として、キーホルダーやTシャツ、絵葉書なども、観光客の心を惹き付ける。


「恵比寿ガーデンプレイス」は映画やドラマでよく使われるロケ地であり、「流星花園(花より男子)」に出てきた道明寺とつくしの無邪気なやりとりや、幸福な結婚式の瞬間を思い出す。今日も、世界各地から来たたくさんの人々が「スカイウォーカー」に乗ってここを訪れ、短いが温かい時間を過ごす。広場に座って、ヱビスビールを一口飲み、傾く夕陽に照らされたヨーロッパ風の屋根を心地よく楽しみながら、琥珀色のほろ酔いに身を任せる。早春の2月の午後の、最も美しい風景である。

Photo by Yao Yuan

恵比寿ガーデンプレイス http://gardenplace.jp/