ごめんなさい、「隠し事なく向き合う」のはちょっと無理! | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

爽やかな秋。温泉に入るのにいい季節になりましたね。さて、みなさんは「温泉に入る」ということについて、どんなふうに考えていらっしゃいますか?大浴場の熱いお湯に入るのが、特に冬の場合は、本当に気持ちがいいということは否定できません。日本人は温泉に入る楽しさを「極楽」と表現しています。ところが、一部の内向的な中国人にとっては、素っ裸になって見知らぬ人と一緒にお風呂に入るのは、たいへん勇気の要ることなのです。


どうして日本人は顔も赤らめず、ドキドキすることもなく、知らない人と裸で会うことができるのでしょうか?いくら考えても、分からないのです。小さい頃から大人と一緒に銭湯や温泉に入っているから、習慣になっているのかもしれませんね。私は日本に数十回行き、学生寮に住んだことも何回かありますが、このような私でもやっぱり他人と一緒にお風呂に入るのは好きではありません。誰かと一緒に入ると、何となく寛げないところがあるのです。さらに、狭い湯船の中でちょっと身動きしたら他人に触れてしまうので、本当に居心地が悪いです。


お風呂の中で寛ぐために、台湾の多くの公衆浴場では、水着を着て入ります。それを聞くと、日本人はみんな不思議そうに、「プールでもあるまいし!」と言います。一方我々の方は、日本には男女混浴もあるというのを聞くとびっくりしてしまい、まったく理解できません。「湯船に入る時に何も身に付けず、1枚のタオルで重要な部位だけ隠して異性の前に姿を現す…」などということは、想像しただけで恐ろしいような気がします。私のような神経質な人間は、「もしもうっかりタオルを落としてしまったら……」という突発的な状況を心配してしまい、今のところ「混浴」という世界に足を踏み入れる勇気が出ません。


神に感謝したいことは、現在日本全国各地の温泉旅館は、ほとんどが男湯と女湯に分かれていることです。お風呂は男女分かれていなければ困ります。そうしてこそ「リラックスして寛げる」のではないでしょうか。もっとも、私のような性格の人間は、女湯で知らない女性と一緒になるだけで、「寛げなく」なります。恐らく最大の原因は、自分のスタイルに自信がないことですが、それに加えて、自分の挙動を他人に見られているのではないかということも気になるのです。また、自分の目も、無意識のうちに他人の体型を「観察」してしまいます。ああ、その上に、知っている人であればあるほど、私は気まずくなってしまうのです。そんなふうなので、いつも友人と温泉旅館に行く時は、一緒になるのをわざと避けて、一人でお風呂に入っています。……まったく、「隠し事なく向き合う」のは簡単なことではありません!(笑)

photo by 哈日杏子

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