今年のトレンドランキング | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

日本のトレンド情報誌「日経トレンディ」は1987年以降、毎年年末にその年に最も流行した商品ベスト30を選出している。現在では、このランキングが日本社会の流行を知る風向計にもなっている。去年の首位は、ハイブリッド乗用車「トヨタのプリウスとホンダのインサイト」だった。「日経トレンディ」は11月に今年のランキングを発表したが、さて、どんな商品が挙がっているだろうか。


羽のない扇風機、ボールペン消しゴム、マクドナルドの新しいハンバーガー「ビッグアメリカ」、ソニーの新しいデジカメ「NEX」シリーズ、キリンの新・午後の紅茶などがランキングに挙がっている。中国でも徐々に人気が出ている「共同購入クーポン」は第20位、平城遷都1300年祭は第11位である。第10位に入った永谷園の味噌汁は、1杯に含まれる栄養素が蜆70個分になると言われている。針がなくても紙をとじられるステープラーはランキング第9位。このステープラーは紙の隅を瞬間的にカットして綺麗に綴じることができる。第7位はLED電球で、これは発光しても発熱せず、20年も長持ちし、約90%の電力を節約できる。


大きな話題を呼び、世界中で平面型コンピュータの旋風を巻き起こしたiPadは何とか第5位に滑り込み、iPhone4を含むスマートフォンは第3位に入った。第4位はコンビニのローソンが発売したロールケーキで、150円の小さなケーキが1年間に5000万個も売れたという。第2位を占めたのは「3D映画」。2010年に日本で興行成績トップ10の映画のうち8作品が3Dだったが、ベスト3の「アバター」「トイストーリー3」「アリス・イン・ワンダーランド」の総売り上げは375億円に達した。


3D映画やスマートフォンやiPadを超えるものは一体何だろう?今年のベスト1は本当にダークホースだった。特に、中国人から見ると、ちょっと不思議に思えるランクイン商品である。2010年に日本で最も人気があった商品は、なんと「食べるラー油」なのだ。中国人ならおなじみの「阿香婆」や「老干媽」の商品と同じようなものである。日本人は薄味を好むので、辛い調味料を食べる習慣がなかったが、グローバル化が進むにつれて、若い日本人たちは四川料理、インド料理、タイ料理などの辛い食べ物を好むようになってきた。ところが市場には日本人の口に合う辛い調味料がなく、巨大な市場の空白があったのだ。そこに、日本人向けの「食べるラー油」が登場し、飛ぶように売れたというわけだ。2010年を通じて「食べるラー油」は品切れの状態が続き、その市場規模は今でもまだ把握しきれていない。実に不思議なことである。

Photo by 凱特

日経トレンディ http://trendy.nikkeibp.co.jp/index.html