元々は西洋から来たクリスマスも、もはや世界的なイベントになってしまったが、アジアでは西洋とはまた異なる形の発展を遂げている。日本では、家族と過ごすという一般的なパターンの他に、恋人と二人でクリスマスの夜を過ごすというのが、多くの人が理想とする過ごし方である。そのため、毎年11月になると多くの女性雑誌が、ファッションやメイク、デートのためのレストラン、プレゼントの選び方、手作りのケーキなどの特集を組む。ロマンチックなクリスマスのひとときを過ごすために、若い女性たちはあれこれと工夫を凝らすのである。
昨年、若者向けのフリーマガジン「L25」と「R25」が共同で、女性2057人、男性2027人に対してクリスマスの過ごし方についてのアンケートを実施した。その結果、8割以上の人が恋人と一緒にクリスマスを過ごした経験があり、多くの女性がクリスマスを「二人だけの世界」と考えていることがわかった。一方、恋人と一緒にクリスマスを過ごした経験のない人は、わずか14.1%だった。デートの場所としては、レストラン(52.7%)が一番多く、次いで恋人の家(51.4%)、ホテル(48.5%)、旅行(33.9%)、自分の家(22.2%)、遊園地(17.0%)、映画館(4.2%)などが続いた。
今年の10月には、旅行会社のJTBがクリスマスに関する調査を実施した。調査対象の年齢層が広いので、前述の調査と簡単に比較はできないが、その結果を見ると、今年のクリスマスにはちょっと変化が起きているようである。69%の人が家族と過ごし、10%が一人で過ごすとしている。恋人と一緒に過ごすという人は、わずか9%であった。また、「どこで過ごすか?」という質問については、23%の人が「家で」と答えており、この回答が最も割合が高い。クリスマスイルミネーションを見に行くという人は15%で、14%の人が家でパーティをするとしている。温泉や国内旅行をする人は、全体の約2割に過ぎない。
こうしてみると、今年のクリスマスはロマンチックな気分や華やかさが、例年のクリスマスよりも少なくなるかもしれない。だが、ちょっと見方を変えてみると、人々のクリスマスに対する考え方が変化したとも言えるだろう。家族と過ごすクリスマスはロマンには欠けるが、温かくて平和な気持ちになれるに違いない。もちろん、今年のクリスマスが、働かざるを得ない平日であるということも、大きく関係しているのだろうが。
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