常々、神社を説明するときに「神社とは」と題して以下のように説明しています。
「一番古いモノと、一番新しいモノが共存する場所」
神様に近くなればなるほど「一番古いモノ」「一番新しいモノ」が共存します。
例えば、神様のお住まいであるご本殿。
再建から350年を経た文化財です。
そして、かつての祈り場である古墳。
さらに古い時代の磐座。
そこから始まる歴史は、この地域を説明するに足りる歴史でもあります。
そして変わることなく伝えられる古式に倣った神祭。
「いにしえの手振りそのままに」
それに対して、神様にお供えされるモノは新しく新鮮であるものをお供えします。
採れたてのお供えものは一番新しいモノ。
歌舞は神様を慰めるモノ。
古いものをお供えすることは失礼にあたり、殿内や奉仕者は清浄を常に保ちます。
恐れ敬うことは、余りある大いなる力に対してのものです。
この恐れ敬うこと無くして神社の信仰は成り立たないと思っています。
神様はフレンドリーでもなく。
自然(神様)の力が人智を超えて、時には災いと転じることも。
その荒々しい力を慰めるための祈りが神祭りであると思っています。
日頃の奉仕や参拝では伝わりにくいものかもしれませんが。
それに対して、神様から離れた事務的なことや、組織、発信の手段方法などは、時代の変化に応じる必要があります。
神職の使命の一つに神様のお力であるご神威を多くの方々に伝える役割があります。
地域では年代ごとでつながりが分断され「私」が優先される時代の中でも、一人称以上の単位の平穏を願うのが祈りの本質です。
国や社会の中で住み暮らす以上、つながることは必須であります。
「いかにして日々穏やかに過ごせるのか」と先人たちが願った形は、最小単位の家族から祈りを行う神棚祭祀として伝えられています。
どんなに歴史がある神社でも、かつて社格が高かった神社でも、知られなければお参りを受けずに神社として残っていけません。
大切にされてきたモノもカタチも今生きる人が必要とし伝えて行かなければ残りません。
神様とは?
自然の大いなる力、神話歴史の偉人、遠い先祖。
その存在は親の愛の如く。
たくさんの方々にご参拝いただき、ご祭神のご神徳が伝わりますように。
そんな機会を創出できればと新たな企画の参画を日々思案中です。
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手力雄神社では本殿が再建されてより今年で350年の節目を迎えます。
本殿龍と辰年も重なった数奇な節目。
神社の歴史を伝えるとともに後世に伝えて行くべく記念事業として修繕・整備事業を行っております。
何卒ご協力お願いいたします。
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