私は悲しくなるほど見た目が悪いです。

汚物の塊のような容姿なので、人並みの人生を諦めています。


私は顔がとても悪く、肌が汚くて、太っていて、髪はモジャモジャの天パで、歯並びが悪く、体臭もきつくて、頭もすごく悪いです。本当は24歳なのに40代に見られます。「可愛い」と言われた事は、物心付いてから一度もありません。そのくらい救いようのない容姿を持った女です。


こんな私にとって、ネットの世界は天国のようです。できれば死ぬまでずっと、ネットの中にだけ人格を持って過ごしたいです。仕事も、恋愛も、結婚も、遊びも・・・すべてネットで楽しめればどんなに幸せか・・・。


リアルの私には友達がいません。容姿の事で人から避けられるので会社勤めする勇気もなく、実家の手伝いをしてます。俗に言うニートってやつです。外に出れば後ろ指を指され、若い男達とすれ違えば笑われ、電車の中では背を向けられます。外は敵だらけです。




3年前、父親が仕事で使うのでネット回線を自宅に引きました。私は父親のおさがりのノートパソコンを貰って、初めてインターネットに触れました。無知だった私の抱いてたネットのイメージは、Yahoo検索、通販・オークションサイト、出会い系サイト、mixi、TV番組や雑誌のHP・・・そんなもんだと思ってました。


私はネットを始めてすぐ、Yahooで色んなものを検索して遊んでました。検索すれば何でも出てくるので面白くて、一日中そんな事をしてました。外の世界を知らない私にとって、ネットは何でも好きなものを見渡せる窓のような存在でした。


ある日、私は心霊写真を見たくなりYahooで検索しました。心霊写真に関する色んな検索結果の中に、2ちゃんねるがありました。「これが噂の2チャンネルか~!」って思って、よくわからないまま開きました。



2ちゃんねるのページは、初めて見る私にとっては意味不明でした。良く分からない言葉の羅列、下品な内容、嘘や罵りばかり、発言者はみんな同じ名前(名無しさん)、知りたい情報を引き出すなんてとても無理。まるで荒れ狂った集団の会話でした。でも、不思議な事にみんな楽しそう。こんな荒れ狂った下劣な会話を楽しんでる様子だったんです。

これが最初に覚えた「ネットでのコミュニケーションの場」でした。


2ちゃんねるという物もまだ理解してなかった私は、2ちゃんねるの中にある恋愛系の掲示板を見つけました。たくさんの書き込みがあふれる中で、一つの悩み相談スレッドが目に留まりました。相談者の真剣な悩みに対して、誰一人としてまともに答えておらず、それを見ていて我慢できなくなり、私は初めて2ちゃんねるに書き込みました。


ネットの恐怖をまだ何も知らなかった私は、手紙でも出すかのように「名前欄」には本名を入力し、「メール欄」には携帯のアドレスを入力しました。そして真面目な書き込みを繰り返すうち、相談者の男性からメールが届きました。


レスありがとう。

でもメアド晒すのは危ないよ。

2ちゃん初心者かな?

名前は本名じゃないよね?


私は名前もアドレスも全部本名だと伝えると、すぐに返信があって、


本名はヤバイよ。

あなたはいい人だから騙されないようにして!

2ちゃんでは適当なHN使っていいんだよ。

アドも携帯のメアドじゃなくて、hotmailのアド取るといいよ。

タダだしすぐ取れるから。


こんな感じで色々と教えてくれました。これが初のネットでの会話で、同時に、初の男性とのメールでもありました。この事をきっかけに、私はこの男性と仲良くなり、MSNメッセンジャーという物を教えてもらいました。



何も知らなかった私にとって、メッセンジャーはとても魅力的なツールでした。同じ時間にログインしてる者同士が、好きな時に好きなだけ、無料でチャットできるのです。すっかりメッセンジャーの機能に魅せられた私は、2ちゃんねるでメッセンジャー友達を増やして行き、どんどんネット友達を作りました。



私:「今日は体調が悪いの。」

男:「大丈夫?風邪?」

私:「うん、風邪だと思う。」

男:「無理しないで寝ときなよ?治ってからまた話せるし。」

私:「ありがとう。」

男:「早く良くなってね。お大事に。」



こんなに優しい言葉を掛けてもらった事なんて今まで無かったんです。親でさえ私の事には無関心で、「お大事に」なんて言葉、実際には誰も使わないドラマや漫画の中だけの言葉じゃないかと思ってたくらいです。ただ風邪を引いただけで、優しくしてくれる友達がたくさんいて・・・ネットの素晴らしさにますます引き込まれて行きました。