顔や身体を見られたくない、誰とも口を聞きたくない、外に出たくない、頭を使いたくない、規則正しい生活なんかできない、毎日出勤なんて無理・・・そんなだらしない私にとって、チャットレディーの仕事は天職でした。
好きな時間に起きて、仕事したい時だけパソコンに向って、ダルくなったら寝て、他の事がしたい時は他の事をして・・・本当に好き勝手な生活ができたんです。しかも、普通に働く以上にお金が入ってくるから、食べたいものはいつでも宅配で頼めたし、欲しい物はネットで買えたし、私の生活は本当に何不自由なく快適でした。
私の収入は更に膨れ上がりました。1度の振込みの額が30万、40万・・・と増えて行き、3ヶ月目には月収80万を軽く越えていました。これ以上増える事はありませんが、大体毎月の収入は90万前後で、年末には100万を越えました。
稼ぐ快感に魅せられた私は、もう掲示板に顔を出す事も無くなりました。メッセンジャーもほとんど立ち上げなくなりました。1円にもならない他人との会話より、ちょっとの会話で確実にお金になるチャットにどっぷり浸かりました。まさに「金の亡者」になっていました。
春が来て、夏が過ぎ、秋が訪れた頃、私の預金は700万円を超えていました。
私は特にお金の使い道が無かったので、高価なパソコンやテレビを次々買って、両親にプレゼントしました。始めにプレゼントしたのはプラズマテレビでした。50万円ほどの物だったので両親は驚いていましたが、私がネットで貯めたお金で買ったと言うと、なんとか納得していました。
しかしそのプラズマテレビを買った直後に、私は父にマッサージチェアーを買いました。30万円もする物だったので、流石に父も怪しく思ったのか、呼び出されました。
「綾香・・・プレゼントは嬉しいが、このお金はどうした?」
「私がネットで貯めたお金だよ。」
「ネットで何をしてるんだ?株か為替でもしてるのか?」
「チャットの仕事。」
「何だそれは?」
チャットレディーの仕事を父に教えました。すると父は急に怒り出して、「そんなのは風俗と一緒だ!」と怒鳴りつけ、もう二度とやるなと言いました。でも、一度味わってしまった快楽を手放す事なんかできる筈もなく・・・私は父の言いつけを破って、チャットを続けました。