相続で不動産を所有することになると、「所有権移転登記」をする必要があります。しかし所有権移転登記は必ずしなければならないものなのでしょうか。また、自分で申請などを行うことはできるのでしょうか。

 

今回は所有権移転登記を自身でするために必要な書類についてのことや、それにかかる費用、そして司法書士に依頼した場合のメリットなどについて解説していきます。

所有権移転登記とは

不動産を相続した場合、所有権移転登記をしておかなければ思わぬトラブルになることがあります。
 
まずは所有権移転登記とは何かということについて知っておきましょう。

所有権移転登記をする意味は?

所有権移転登記はその名の通り、所有権が誰かから誰かに移動しましたということを記録しておくことです。
 
もちろん、売買が行われて売買契約書を結んだ時点で所有権自体は買った方に移動してします。しかし、移動したという事実を登記しておかなければいざと言うときに所有権を主張できない場合があります。

所有権移転登記をしなかった場合に起こるトラブル

これはよく問題になることですが、例えば、AさんがBさんに土地が売り渡されたとします。しかし、AさんはCさんにも同じように土地を売り渡してしまっていました。そしてさらにCさんはBさんよりも早く登記をしてしまっており、Bさんはその土地の所有権を主張することができませんでした。
 
こういう状態を二重譲渡と言いますが、法律上ここで保護されるのはきちんと登記をしていたCさんになります。
 
他にも、詐欺に遭ってしまっていたという場合でも、登記の先後によっては騙された人よりも、その土地を入手して早く登記をした人の主張が買ってしまうということもあります。

所有権移転登記に必要な書類と費用は?

では、実際に相続などで不動産を取得した場合、必要書類を持って法務局へ行き所有権移転登記をすることができます。
 
ではどういった書類が必要になってくるのでしょうか。また、司法書士などのプロに依頼する場合と、自分で行う場合のメリットや、費用の違いを紹介します。

所有権移転登記に必要な書類を集める

相続が発生すると、相続人が様々な必要書類を用意することとなります。
 
相続による所有権移転登記にも遺産分割であったり遺言による相続であったりと様々なパターンが多くありますので全ては紹介できませんが、基本的な必要書類は以下のものとなっております。
  • 相続人の住民票
  • 固定資産評価証明証
  • 被相続人の戸籍謄本・除票
遺産分割のときは遺産分割協議書が必要となりますし、法定相続の場合は相続人の印鑑証明証などが必要となります。

所有権移転登録にかかる費用

書類取得のための諸費用

住民票を取得するのにおおよそ300円ほどがかかるなど、書類を取得したりするのにおおよそ5,000円~1万円ほどを見ておいた方が良いでしょう。

登録免許税

登録免許税とは、法務局で登記を申請するときにかかる費用です。
 
相続の場合、不動産の固定資産税評価額の0.4%が登録免許税としてかかります。

司法書士などのプロに依頼するメリット

所有権移転登記の申請を自分ですることも可能です。
 
しかし、住民票を取得したり、申請書類を作成したりというのは、素人がやるのは時間がかかったり、何度もやり直しをしなければならないということも多くあります。
 
登記申請を代行して行ってくれる司法書士などへの報酬の相場はおおよそ2~3万円と言われているので、
  • 間違いなく正確な登記をしたい
  • 費用はかかっても早く終わらせたい
という方は、司法書士に依頼しましょう。

まとめ

相続が発生した場合にはトラブルを回避するためにも必ず所有権移転登記をしておきましょう。
 
住民票など様々な書類を集めることや、登記申請するための登録免許税などある程度の費用がかかってしまいますが、自分の財産を守るために大切なことです。
 
司法書士などプロの方にお願いすると、さらに費用がかかってしまいますが、わずらわしい手続きなどなく素早く終わらせることができるなどのメリットがあります。