Romantique No.580『Here Comes The Spring』 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

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僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

 

 

 

                  Adieu Romantique No.580   

                    『Here Comes The Spring』

                            

                      

春が近づいてきている。少し前まではあんなに寒かったのに(手がちぎれそうなほどだったのになぁうーん)、ここ数日の昼間は春のような暖かさだ

 

このままどんどん暖かくなればいいのにと思っていたのに、昨日からまた気温が下がってきてるえー?そんなにうまくはいかないよね。多分、また暖かい日が何度かやって来て、また寒くなって。そうして少しずつ、少しずつ春がやって来るんだ。そう。所謂、三寒四温という、とてもよく出来た季節の巡り方で。

 

花粉に悩まされている人にとっては、それどころじゃないかも知れないけど。「やっぱり春が好き」という人は多いんじゃないかな。ものごとをスタートさせるにも、ちょうどいいというような感じも含めて。キラキラ✨した予感のようなものが溢れ出してくるんだ、きっと。

 

そう、少し遅く目覚めた朝には。カーテン越しに差し込む光を受けて、ベッドの中で微睡みながら、現実と夢の間を行ったり来たり。いつまでもぼんやりしていたいzzzと思う、そんな春に。とても心地よい風がそよぎ、陽光が溢れ、周囲の花や緑が輝き始める、そんな春に。タイトルも(ずっと書いている)『Here Come The Girls』の流れで『Here Comes The Spring』にして。音楽や写真やアートやその他、何やかんやを散りばめながら、ひと足早い春を感じてみたいと思う。

 

📷️耳を澄ませば。春の足音が聞こえてくるような、そんな写真から。

📷️今回は。1981年生まれの、スウェーデンの写真家リナ・シェイニウス【Rina Scheynius】の作品を中心に散りばめてみた。ファッション写真家として2009年にはコム・デ・ギャルソンの夏のコレクションの写真を、2010年にはマルタン・マルジェラの春夏コレクションを撮る傍ら、自己の表現として2007年から2019年の間に撮った数多くの写真をEditし、自費で出版した写真集は11冊に上る。
 
男性には絶対に撮ることができない写真。過去、僕のブログでは何度も彼女の写真をUPしてきてるけど、彼女の作品は春の目覚めを感じさせてくれるだけじゃなく、女性だけの感受性のようなものを感じさせてくれるので、僕は大好きなんだニコ
 
蕾を膨らませて
花たちが目を覚まし始めた
 
音譜今回の記事のタイトル繋がりで。ビートルズの歴史的傑作アルバムに収録されていた、ジョージ・ハリスンが書いた名曲『Here Cames The Sun』を今回の記事のテーマ曲として最初にUPしておきたい。因みに、以前にも同じようなことを書いたけど。ビートルズには季節感を感じさせてくれる曲が意外なほど少ないと思っていて。そんな中でもこの曲は特別に眩いほどの春を感じさせてくれる。

 

  僕の愛しい人よ

  長くて

  寒くて

  寂しい冬だった

  僕の愛しい人よ

  もう何年も

  ここにいたような感じだよね

 

  でも

  太陽が昇ってきたよ

  そう 

  太陽が昇ってきたから

  もう大丈夫さ



来るもの拒まず、ていう訳じゃないけど。 そう言えば、元ロキシー・ミュージックのトリック・スターだったブライアン・イーノが1974年にリリースしたファースト・ソロ・アルバムのタイトルは確か『Here Comes The Warm Jets』だったけうーん


 

 


 
 
 

 

 

朝の微睡みの中で

夢と現実の間を往き来する、大切な時間

 

 

音譜90年代に竹村延和が率いて活動したスピリチュアル・ヴァイヴス【Spiritual Vibes】『One Blue Moment』

 

 
 

 

 
音譜ようやくベッドから抜け出して。近くを散歩する時に聴きたくなってくるのはヴェティヴァー【Vetiver】の2015年リリースの曲『Strange Still』。少しずつ身体が温まってきて頭の中も次第に覚醒してくるような、そんな曲。

 

春の音楽が聞こえる

妖精たちの囁きが聞こえてくる

 

 

 音譜僕の中では。勝手に『Here Comes The Fairy』と付けておきたい曲。もちろん春の訪れを感じたい時にも、この曲は外せない。シンガポールの男女デュオ、アスピデイスラフライ【Aspidistrafly】『Landscape With A Fairy』。まるで妖精たちが「こっちにおいで」って言ってるような、そんなキラキラ✨感が眩い。

 

 
 

 

 

木漏れ日に包まれて
柔らかい時間がゆっくりと過ぎていく
 

 
 

音譜シャーデー【Sade】の、光に包まれた名曲『Love Is Stronger Than Pride』を。シャーデー・アデューが歌う、この曲の魅力には抗うことができないや。


📷️InkaNealHoeper姉妹を被写体にしたシリーズは、陽光の眩さと空気感がリアルに伝わってくる。
 
 
 
 
 
 
 
 📷️この作品も素敵だな。自由な空気を孕んだ、とても自由なイマージュによる写真。お腹の中にいる赤ちゃんにも太陽を、そんな感じかと。
 

春には 感受性が研ぎ澄まされていく

 

素敵な恋が始まったり

時には傷つくこともあるだろうけど

 

音譜シルジュ・ネス【Silje Nes】の2007年のアルバム『Ames Room』から『Bright Night Morning』

 

 

 
 
 
 

 

 
 

 

僕が大好きな詩人、谷川俊太郎の処女詩集『二十億光年の孤独』から春の詩をひとつ。やわらかな春の陽射しと花の匂いと、僅かな翳りが交差する、素敵な一篇だと思うな。

 

 

   『春』

 

  かわいらしい郊外電車の沿線には

  楽しげに白い家々があった

  散歩を誘う小径があった

 

  降りもしない  乗りしない

  畠の中の駅

  かわいらしい郊外電車の沿線には

  しかし

  養老院の煙突もみえた

 

  雲の多い三月の空の下

  電車は速力をおとす

  一瞬の運命論を

  僕は梅の匂いにおきかえた

 

  かわいらしい郊外電車の沿線では

  春以外は立入禁止である

 

 

📖谷川俊太郎の詩に繋がるように。ノスタルジックな春の匂いが充満している、僕の大好きな漫画。天才女流漫画家、高野文子『春ノ波止場デ ウマレタ鳥ハ』。まるで一篇の素敵な詩のように感受性が刺激される名作。機会があれば是非、読んで欲しいと思うな。
 

音譜(現在は堀込高樹のソロ・ユニット)キリンジ【Kilinji】の2021年リリースの曲『ただの風邪』を日本語と韓国語で歌詞が出てくるPVで。寒かったり、暖かくなったり。気温の変化が激しい、いまの季節にはくれぐれも風邪をひかないようにね。

 

🎨春と『Kawaii』は何故かとても相性がいい。日本の女性アーティスト、長井朋子【Tomoko Nagai】(1982~)の可愛いドローイングを。アンティークなテディベアだとか、好きなものだけを詰め込んで。ピンクを中心に淡い色彩が広がる、とても春らしい世界。ここには誰も抗えないような無敵の「Kawaii」があるよね。

 


 

 

音譜グレゴリー・チェルキンスキーパスカル・ボレルによるフレンチ・ポップ・デュオ、ミカド【Mikado】の82年のシングル曲『Romance』。フワフワ感が春の微睡みの中へと誘ってくれる。


 
 
 
 
 
 

 音譜最後の曲は。最初にセレクトしたビートルズの『Here Comes The Sun』を、ジャズ、ソウル、ゴスペルを自由自在に往き来する偉大なるシンガー、ニーナ・シモン【Nina Simone】のカヴァーで。ビートルズとはまた違った味わいがあって。春の眩い光に吸い込まれていきそうになるんだ。

 

今回は『Here Comes~』の特別編みたいな感じになったかなぁうーんと思いつつ。春の訪れを待ち詫びながら、現実と夢の間を行ったり来たり、さ迷っていようと思う。


それじゃあ、また。
アデュー・ロマンティークニコ