Adieu Romantique No.557『映画と映画音楽を語るときに僕の語ること』 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

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僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

 

                   Adieu Romantique No.557

   『映画と映画音楽について語るときに僕が語ること』

                          【懐かしの名画編②】

 

前回からスタートしたシリーズ記事映画と映画音楽について語るときに僕が語ること』。その【想い出の名画編】の2回目。

 

実はもうかなり前から。ブログの編集ページからYouTubeの画像を直接、貼り付けられなくなってしまっている。そうなるとYouTubeからURLをコピーして貼り付けるしか方法がなくなり、直接、貼り付けていた時と較べると、ひとつの映像の情報量がとても大きくなってしまってUPできる映像や音楽の数を減らさなければならいという事態に。


特に今回のシリーズ記事では映画のシーンと音楽を両方を貼り付けていくとすぐに許容量オーバーになってしまう。まぁそんなのは単なる愚痴でしかないし、そんなことで悩みたくはない。要は考え方次第だ。音楽や映像が多ければ多いほど、その記事を読んでいただく方にとっては時間がかかるばかりだし(UPしてる画像や音楽をすべて最後まで見聴きしている人はまさかいないとは思いつつ)、逆にほんとうに必要なものを精査しながら、そうでもないものを削いでいくというのもエディトリアルの妙かも知れないと思ったり。もちろん。クオリティだけは下げないように十分に心掛けてはいるけれど(それも自己満足でしかないけどね)

 

はてさて。そのようなことで。多少、悪戦苦闘しながらも自分なりにシェイプ・アップしつつ、今回も僕の記憶に残る映画とその映画音楽をランダムにセレクトしていくことに。

 

📖まずは。またもや今(都合よく)僕の手元にある、映画について書かれた一冊の本のことから。前回は村上春樹川本三郎「映画をめぐる冒険」だったけど、今回は和田誠『シネマッド・ティー・パーティ』(『不思議の国のアリス』からの引用)のこと。


和田誠といえば今なら奥さん(料理愛好家の平野レミやミュージシャンの息子さんの方が有名なのかも、だけど。もともとは伝説の広告制作会社ライト・パブリシティのグラフィック・デザイナーでありイラストレーターであった氏は、1960年代に紙巻煙草の「hi-Lite」のパッケージをデザインしたことで知られる。また映画についての愛情と造詣が深く、「お楽しみはこれからだ」「たかが映画じゃないか」など、自身のイラストレーションを挿入しながら、映画のディテールに拘った話を軽やかに書き綴った本を数多く出している。

 
和田誠の映画的な、あまりに映画的なイラストレーションをいくつか。
 
🎨巨匠アルフレッド・ヒッチコックへのインタビューを通じて、そのこだわり抜いた映画技法をヌーヴェル・ヴァーグを代表する映画作家であり、シネフィル(=映画狂)でもあったフランソワ・トリュフォーが解き明かしていく名著「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」をさらにドキュメントしていく本の表紙を飾ったのが和田誠の作品。このOne Lineのイラストはとても味があってスタイリッシュな感じが溢れてる。
🎨『黄金狂時代』チャップリンを描いたイラストレーション。
🎨ジャン=リュック・ゴダールの長編デビュー作『勝手にしやがれ』ジャン=ポール・ベルモンドジーン・セバーグを描いたイラストレーション。いや、ほんと。映画愛に溢れてる。
 
さてと。『映画と映画音楽について語るときに僕が語ること』を前回同様、軽やかに語っていくことにしよう。
 
🎦キャロル・リードが1949年に撮った『第三の男』【The Third Man】。主演は異才オーソン・ウェルズジョゼフ・コットンアリダ・ヴァリアントン・カラスのツィター演奏によるテーマ曲が印象的で(和田誠『シネマッド・ティー・パーティ』の中で「ツィターの弦が弾かれていく、この映画のタイトルバッグは史上屈指のものだ」とグラフィック・デザイナーならではの視点で語っている)、どこか特別な雰囲気を持った作品である。

因みに村上春樹『映画をめぐる冒険』の中でこの作品についてこんなことを書いている。「この映画にはさまざまな名台詞があるが、僕は ''A man's not dead because you put him underground''というのが好きである。土の下に埋めたからといって、そいつが死んだってことにはならないぜということである」と。この『第三の男』というドラマの鍵を握る「第三の男」についての思わせぶりな台詞を思わせぶりに語る、とても村上春樹的な表現だと思う。
音譜イメージの連鎖で。『第三の男』のテーマを聴くと僕の頭に浮かんでくるのは(それが何故なのかは分からない)ドイツの伝説的ロックバンド、Canのメンバーだったホルガ―・シューカイの1979年のソロ・アルバム『Movies』に収められていた『ペルシアン・ラブ』【Persian Love】。ホルガー・シューカイはこのアルバムを(アルバム・タイトル通り)映画的な体験をイメージしながら制作したという。


🎦イタリアのフランコ・ゼフィレッリが撮り、レナード・ホワイティングオリビア・ハッセーが主役を演じたロミオとジュリエット』【Romeo and Juliet】の1968年版。度々、映画化されているけど、僕の中ではこのロミオとジュリエットしか考えられない。音楽は『太陽がいっぱい』の、あのテーマを作曲したニーノ・ロータ。この悲恋のラヴ・ストーリーを(何回目かのリバイバル上映か、名画座の2本立かで観たのかな)中学生の時にひとりで観た僕は、映画館の暗闇に紛れて泣いていたという、わざわざ人に語る必要がまったくないエピソードもえー?
 🎦何て可愛いジュリエット、何て可愛いオリヴィア・ハッセーか、と。彼女はその後、ロバート・ミッチャムの息子、クリス・ミッチャムと共演した『サマー・タイム・キラー』リヴ・ウルマンサリー・ケラーマンらの演技派たちに囲まれた『失われた地平線』に主演したけどあまりパッとせず、1980年には彼女がまさか布施明と結婚することになるとは夢にも思わなかったという、わざわざ語る必要がまったくないエピソードも。
 


🎦宗教的な題材を下敷きにした、美しい映画。『ロミオとジュリエット』と同じくフランコ・ゼフィレッリが1972年に撮った『ブラザー・サン・シスター・ムーン』【Brother Sun Sister Moon】。音楽はイタリア映画音楽界の巨匠リズ・オルトラーニ。主題歌はビートルズと親交があり、ジョン・レノンにギターを教えたこともあるドノヴァン【Donovan】が書き下ろして歌った。この映画はTVで観ただけなのに、何故だか映画的記憶として確かに残っている。まぁ、とにかく主演のジュディ・ボウカーが美しかったんだな。
 
 

🎨この曲が収録されているドノヴァンのアルバム。カヴァー・アートがメルヘンしていて、いい感じ。
 
雰囲気を変えて。
 
🎦子供の頃からミュージカル映画が好きだった。そこには音楽とダンスと洗練とロマンティークでできた夢のような、まるでお伽噺のような世界があったから。そしてミュージカル映画史上の最高の俳優であり、歌手であり、ダンサーであったフレッド・アステアFred Astaire】(1899~1987)と、ジンジャー・ロジャースの黄金コンビによる映画『トップ・ハット』【Top Hat】からその軽やかなダンスシーンを。燕尾服にトップ・ハットというアステアのイメージはこの映画によって不動のものになる。アステアのダンス…ダンスという表現に違和感さえ覚えるほど柔らかく軽やかな。その一連の流れは実にエレガントで洗練を極める。音楽を担当したのは『ホワイト・クリスマス』『ゴッド・ブレス・アメリカ』などの名曲を超えた名曲を作詞・作曲した天才音楽家アーヴィング・バーリン

 
 

 

🎦さらにアステアとタップダンスの女王エレノア・パウエルが共演した1940年の作品『踊るニュウ・ヨーク』【Broadway Melody of 1940】のダンス・シーンも。因みに。この映画はミュージカル映画の殿堂であるMGM【Metro-Goldwyn-Mayerで制作された。

 

🎦ミュージカルは続くよ。またしても子供心に入り込み過ぎてしまった映画(つくづく単純な人間だなぁ、と思うな笑い泣き)、ロバート・ワイズが撮った1961年のミュージカルの傑作『ウェストサイド物語』【West Side Story】。主演はリチャード・ベイマーナタリー・ウッドジョージ・チャキリスリタ・モレノラス・タンブリン。オープニングのダンスシーンに完全にKOされ、すぐにアルバムを買って聴きまくった。音楽はレナード・バーンスタイン。画期的なダンスの振り付けはジェローム・ロビンス。グラフィック・デザインはソール・バス。ソール・バスによるタイトルバックから始まり、どのシーンも、どの音楽も大好きだけど結局、何やかんや言ってもオープニングの革命的なダンスシーンに尽きる。とにかく。全編のアグレッシブなダンスが鮮烈過ぎて、本来のロミオとジュリエットを下敷きにした恋物語も人種問題を扱った云々も、何処かへすっ飛んでしまった。

 


🎦真っ赤なジャンパーが似合うのは、ジェームズ・ディーンジョージ・チャキリスだけだ。

🎦イタリア系移民のジェット団とプエルトリコ系のシャーク団が争う最中、ジェット団が集まり「みんなもっとCoolにいこうぜ」と歌い、踊る圧巻のシーンを。

 

🎦ジャック・ドゥミが撮った1967年のフランス製ミュージカル映画(と言うよりアメリカのミュージカル映画への限りない愛に満ちたオマージュ)『ロシュフォールの恋人たち』【Les Demoiselles de Rochefort】。主演はカトリーヌ・ドヌーヴフランソワーズ・ドルレアックの実の姉妹が双子姉妹デルフィーヌソランジュを演じた他、ジーン・ケリージョージ・チャキリスダニエル・ダリューなど絢爛たるスターが総出演している。音楽とダンスは(デミアン・チャゼルが撮った『ラ・ラ・ランド』にリスペクトされたと思える)オープニング・シーンと、カトリーヌとフランワーズによる『双子姉妹の歌』Chanson des Jumelles】を。

🎦1961年に撮られたパリジェンヌの4つの物語のオムニバス『パリジェンヌ』【Les Parisiennes】。その第4部はまだ人気が出る前のカトリーヌ・ドヌーヴが当時のフランスでは男性トップ・アイドルの地位を不動のものにしていたジョニー・アリディ【Johnny Hallyday】と共演した。音楽は劇中、アリディがギターの弾き語りでドヌーヴに甘くささやく『Retiens La Nuit』を。

 


🎦最後は1970年にノーマン・ジュイソン(『夜の大捜査線』でアカデミー作品賞を受賞)が撮った、トポル、「チョコフレーク」のCMに出演し、日本での人気が高かったレイモンド・ラブロックらが出演した『屋根の上のヴァイオリン弾き』【Fiddler On The Roof】の主題歌『サンライズ・サンセット』が歌われるシーンで締め括ろう。

 



「いゃぁ、映画って本当にいいもんですね」。

今回はこれくらいで。

映画と映画音楽に纏わるテキトーな話はまだ

まだ断続的に続いていく。

 

それじゃあ
アデュー・ロマンティークニコ