No.0389 『60~70年代的レトロ・スペクティヴ。時代を彩った魅力的な女性たち』。 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

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僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

こんにちは。僕のブログ【アデュー・ロマンティーク】へ、ようこそ。

 

前回の記事で。日本の60年代末から70年代中頃の、サイケでハレンチな時代に生まれた音楽を紹介したら、今度はそのサイケでハレンチな時代を彩った女性たちのことを書いてみたくなった。


そういうことで。今回のタイトルは『60~70年代的レトロ・スペクティヴ。時代を彩った魅力的な女性たち』。


そう。60~70年代という過剰な時代に活躍した女性たち。女優や歌手、ファッション・モデル、TVタレントを中心として、さまざまな女性たちが僕の頭の中を巡ったのだうーん


結構な知名度がある人もいれば、あまり知られていない人もいるかも知れない。だけど彼女たちは一様に個性的で、僕にとってはとても魅力的な存在である。


遠い過去の話かも知れないけれど。

彼女たちは確かに眩い輝きを放って存在したのだ。

そんな彼女たちが忘れ去られないように。

今一度、彼女たちの魅力を再発見し、

記憶に留めておこう。

 

まずは。世界で活躍した、魅力的な日本女性たちから。

 

ドキドキ松本和子【Kazuko Matsumoto】

日本のファッションモデルの草分け。50年代末に日本人で初めてパリコレのモデルを務めた。個性的で、とてもいい雰囲気を持っているよね。

 
 
 

ドキドキ小坂恭子【Kyoko Kosaka】

1961年にフランソワ・トリュフォーが撮った『突然炎のごとく』に感銘を受けて、トリュフォーに手紙を書いたことでヌーヴェル・ヴァーグの作家たちと繋がることに。1966年にはジャン・リュック・ゴダールが撮った『メイド・イン・USA』にアンナ・カリーナ、ジャン=ピエール・レオ、マリアンヌ・フェイスフルらと共に、ドリス・ミゾグチ役(日本の偉大る映画監督、溝口健二へのオマージュであり、こういった映画的引用こそがヌーヴェル・ヴァーグなのだ)で出演した。2013年には。彼女の生き方にインスパイアされたメラニー・パヴィとイドリサ・ギロによりドキュメンタリー映画『重なり合う歴史/物語の旅へ~Ashes/灰』が制作され、彼女の娘、小坂明子が出演した。

📷左から小坂恭子、エルンスト・マンゼール、アンナ・カリーナ。


🎦『メイド・イン・USA』の、彼女の出演シーンを。


ドキドキ松本弘子【Hiroko Matsumoto】

1957年にピエール・カルダンに見いだされてフランスに渡り、パリコレのモデルに。70年、フランソワ・トリュフォーの自伝的映画「アントワーヌ・ドワネル・シリーズ」の4作目『家庭』【Domicile Conjugal】に、先の小坂恭子をモデルにしたキョーコ・ヤマダ役で出演している(そう。こういう感じもヌーヴェル・ヴァーグ的なのだ)。

 
🎦『家庭』【Domicile Conjugal】のトレーラーを。

音譜アントワーヌ・デュアメルのスコア『Kyoko』。

📷️レトロ・フューチャーなイメージで。
 
 
ドキドキ浜美枝【Mie Hama】
可愛い顔に似合わないナイスなボディで、007シリーズの5作目、67年の作品『007は二度死ぬ』のボンド・ガールに抜擢された。

📷️『007は二度死ぬ』のオフショット。左から浜美枝、ショーン・コネリー、若林映子。
🎦1964年に世界の監督による短編を集めたオムニバス映画『世界詐欺物語』の、堀川弘通が撮った日本編に出演している。因みにこの映画のためにジャン=リュック・ゴダールによるモロッコ編『立派な詐欺師』【Le Grand Escroc】も撮られていたが公開前に外されてしまった。
📷️『世界詐欺物語』のスチール。

ドキドキ若林映子【Akiko Wakabayashi】

もともとは東宝の特撮映画に出演が多かったが、浜美枝と同じく『007は二度死ぬ』のボンドガールに抜擢され、そのエキゾチックな顔立ちで特に海外で人気を集め、あの世界的な映画監督、ウディ・アレンも彼女のファンだったという。







ドキドキ山口小夜子【Sayoko Yamaguchi】

日本のファッション・モデルとして革命的に「新しい美」を表現した女性。その活動は多岐に渡り、女優として寺山修司の「天井桟敷」や「自由劇場」の佐藤信の舞台に出演したり、寺山修司の81年の映画『上海異人娼館 チャイナ・ドール』や2001年の鈴木清順『ピストル・オペラ』に出演。また、天児牛大(あまがつ うしお)率いる舞踏集団「山海塾」とコラボレートしたり、単なるファッションモデルという枠組みを遥かに超えた美しき表現者であった。

 

📷セルジュ・ルタンスが撮った山口小夜子。もはや芸術的に美しい。




📷スティーリー・ダンの歴史的ロック名盤『aja~彩』のカヴァーを飾ったのが山口小夜子であった。恐らく、アルバム・タイトルが『aja』に決まった時点で、モデルは彼女に決まったようなものだったんじゃないかな。


音譜山口小夜子のイメージとリンクするようなアルバムのタイトル曲『aja』を。

📷️スティーリー・ダンのベスト盤にも山口小夜子の写真が使われた。
📷️ある意味、彼女はMade In Japanを代表したのだ。
📷️普段の感じが出てるとおもえるショット。
📷️バルセロナで。ガウディのサグラダ・ファミリアからもぶら下がったことがある山海塾とのコラボレーション。


次は。日本で活躍した、とても60年~70年代的な、個性的で魅力的な女性たちを。


ドキドキ安井かずみ【Kazumi Yasui】

60年代から数多くのヒット曲を生み出した作詞家であり、自由に生きる女性を象徴したファッション・リーダーでもあった。


音譜『ZUZU』に続く自身の2枚目のアルバム『空にいちばん近い悲しみ』は音楽ではなく、朗読集だった。当時の彼女の佇まいがカッコいいのでアルバム・カヴァーをUPした。

音譜シングル『空にいちばん近い悲しみ』のカヴァーには宇野亜喜良のイラストレーションが添えられた。

📷️ファースト・アルバム『ZUZU』に使われた写真。
音譜アルバム『ZUZU』の中から『プール・コア』。まるでセルジュ・ゲンスブールとジェーン・バーキンの、『ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ』ひとり版みたいな曲。

📷️女性たちは『俺たちに明日はない』のボニー・パーカーに憧れた。
📷️75年に8歳下の加藤和彦と結婚。とても仲良しで、オシャレでセレブリティな夫婦生活だった(いくつかの本で読んだ限りの情報だけどね)。

ドキドキ加賀まりこ【Mariko Kaga】

小学生で澁澤龍彦訳の『マルキ・ド・サド選集』を読み耽り、高校生で高級イタリアン・レストラン『キャンティ』に出入りし、安井かずみやコシノ・ジュンコらと仲良くなったという早熟な少女は、中平康の『月曜日のユカ』でヌーヴェル・ヴァーグ的な鮮烈な印象を残し、和製ブリジット・バルドーと呼ばれた。








📷️立木義浩が加賀まりこを視姦した写真集『私生活』より。




ドキドキ立川ユリ【Yuri Tachikawa】

創刊当時の「anan」などで活躍した、70年代を代表するファッション・モデル。当時、新進のデザイナーだったピンクハウスの金子功と知り合い、間もなく結婚した。1歳下のマリもファッション・モデル。


📷️当時の『anan』がいかに突き抜けていたか、という証し。立川ユリと共にシューティングされているのは、巨匠ルキノ・ヴィスコンティが撮った映画『ベニスに死す』【Morte A Venezia】で主役のタジオを演じて爆発的に人気が沸騰した、ビョルン・アンドレセン。



📷️ユリ(右)とマリの姉妹モデル。


ドキドキ秋川リサ【Lisa Akikawa】

16歳でモデル・デビュー。資生堂の専属モデルを務めた後、雑誌「anan」や、舞台などで広く活躍中に写真家、立木三朗(立木義浩の弟)と結婚。立木リサ名義で日本TVの「11PM」で愛川欽也と共に(あの舌ったらずの喋り方で)司会を務めた。





📷️当時、男性のトップ・モデルだった草刈正雄と。

ドキドキ青木エミ【Emi Aoki】

60年代末頃からモデルとして活躍した。




📷️加賀まりこを撮った写真集『私生活』と双璧を成す立木義浩の傑作写真集『イヴたち』から。





ドキドキ杉本エマ【Ema Sugimoto】

ハーフの美人モデルと言えば、真っ先に浮かぶ。






ドキドキ松岡きっこ【Kikko Matsuoka 】

とにかく頭が良さそうで、ユーモアがあって、個性的で美しくて。『巨泉×前武 ゲバゲバ90分』や月曜日の『11PM』とか。気が付いたらいつもTVに出ていた。




🎨バックのイラストレーションは田名網敬一。
音譜アルバム『円楽のプレイボーイ講座12章』のカヴァーに登場した。アルバムの音楽は前田憲男とプレイボーイズ。プレイボーイとかプレイガールとか、そういう感じが70年代的で、どこか甘酸っぱい。

松岡きっこからは外れるけれど『円楽のプレイボーイ講座』の第1章を。因みにピチカート・ファイヴの小西康陽はこのアルバムをリスペクトし、自ら小西康陽とプレイボーイズと名付けて音楽を担当し、『井上順のプレイボーイ講座12章』を制作した。



ドキドキ麻田奈美【Nami Asada】

りんごを両手で持ち、下半身を隠した1枚の写真。青柳陽一が撮った、所謂「りんごヌード」が日本中の男子の心を捉えた。恐らく、みうらじゅんも大槻ケンヂの心も(知らんけどぶー)。その後も彼女は「りんごヌード」を一歩も超えることなく、一時、ハードロック系の有名な音楽評論家、伊藤政則と付き合ったりしながら、何冊かのグラビア写真集を出して、何処かへ消えてしまった。


📷️肝心な「りんごヌード」の画像は、少し画像処理をしたものでもAIの検疫に引っ掛かってハネられてしまった。残念だけど、そこは諦める。





ドキドキ栗田ひろみ【Hiromi Kurita】

中学生の時にNHKのドラマでデビュー。72年に大島渚の『夏の妹』の主役に抜擢され、翌年、『放課後』に主演をする。ごく普通の少女なのに、フィルムからは何故か不思議な「陰り」のようなものが漂うのだ。


音譜『放課後』のワン・シーン。初々し過ぎて、もう可愛い過ぎて。

🎦異才・大島渚が撮った『夏の妹』。石橋正次と共演した。
🎦タイトルバックを。音楽は武満徹だった。



音譜彼女らしさが出ていたデビュー曲『太陽のくちづけ』。ジャケットは2ツ折になっていて拡げると彼女の全身の姿が(そんなこと知らんがなぁーおーっ!)。


ドキドキ高沢順子【Junko Takasawa】

73年に『新同棲時代』て鮮烈にデビューし、その後、木下恵介の企画により制作された名作TVドラマ『それぞれの秋』に出演した。


音譜取り敢えず、彼女の歌『青春の一ページ』を聴いておこう。


ドキドキ村地弘美【Hiromi Murachi】
74~75年に放映されたTVドラマ『水もれ甲介』で石立鉄男の妹役を演じた。

🎦龍角散トローチのCMで人気が爆発した。


はい、時間切れ。今回は、書いている内に中身が膨らみ過ぎて、迷路に迷い混んでしまったので(いつまでも記事を書き終えることができないのだ)、強制的に終わらせることにしたえー?

最初に僕の頭を巡った女性たちについて。その半分も書くことができなかったし、とても中途半端なものになってしまったような気がする笑い泣き

今回の記事は。60~70年代という時代を彩った、魅力的な女性たちを紹介しつつ、その女性たちに纏わるエピソードを語りながら、実はその時代全体の空気感やムードみたいなものが少しでも伝わればいいなうーんと思っていた訳だけど。

うーん。それでは、また。
アデュー・ロマンティークニコ