ロマンティークNo.0175 Blow Up! スウィンギング・ロンドンしなけりゃ意味ないね。 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

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僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

こんにちは。僕のブログ【アデュー・ロマンティーク】へ、ようこそ。

 

前回のブログのこと。ジョアン・ジルベルトが亡くなってしまい、同じ日の少し前の時間に新しい記事をUPしたばかりだったけれど、とにかくジョアンについて、何かしらの気持ちを吐き出さなければ(僕の中での)収拾がつかなかったので(しかし何をどう吐き出せばいいのか混乱して分からなかった)、とりあえず以前に書いたジョアンの記事を(不本意ながら)リブログさせていただいた。本来なら。ジョアンに対する今の気持ちを新しく書くべきであったが、リブログするだけで精一杯だったのだ。今はまだ整理がつかないのでちょっと無理だけれど、またいつか、改めてジョアン・ジルベルトについて書きたいと思っている。

 

さて、それでは。雰囲気を変えて、まったく違う記事を。今回は音楽やファッションを中心とした、もろもろのカルチャーの話。1960年代のロンドンから世界に発信された素晴らしく魅力的な『スウィンギング・ロンドン』について、Love&Peaceとエキサイティングなグルーヴをもって書き綴りたいと思う。

 

『スウィンギング・ロンドン』。ロンドンのチェルシー地区のキングスロード界隈を震源地に登場したいくつもの新しいユース・カルチャー。音楽が溢れ、ミニスカートを始めとしたニュールックを着こなしてストリートというランウェイをウォーキングした可愛い女の子たち。スタイリッシュで鮮やかな色彩に溢れたイメージがBlow Upする。簡単に言えばそういう感じなのだが。これじゃ、なんだか分からないよねえー?

 

しかも、『スウィンギング・ロンドン』は、1960年代を通して連なる、とても大きな動きであり、音楽やファッション、映画やアートまで、あまりにもさまざまな要素が混ざり合い、重層的に複雑に絡み合っているので、1回の記事ですべてを伝えるなんて、とても無理な話だ。

 

とりあえずは。スウィンギング・ロンドンに関するキーワードをざぁーと並べることで僕の頭の中とあなたの頭の中にあるイメージを拡げておくことにしよう。

 

スウィンギング・ロンドンに関するキーワード。最初は何のかんの言っても「ビートルズ」。そしてビートルズを追いかけていたファンの女の子たち「ビートルマニア」。ビートルズが主演した最初の映画『ビートルがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』。同じ監督であるリチャード・レスターが撮った『ナック』。ミケランジェロ・アントニオーニが1967年のロンドンを撮った『欲望【Blow Up】』。そしてサイケデリックを極めた金字塔、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』とそのアルバム・カバーをデザインしたピーター・ブレイクや、イギリス発のポップアートも含んでいる。さらに音楽ではブリティッシュ・インヴェイジョンの動きや、そういったバンドの活動の場であった「UFO CLUB」や「マーキークラブ」といったライヴハウスも交差しているし。ファッションではミニスカートの「マリー・クワント」と、ショートのボブヘアを生み出した「ヴィダル・サスーン」、ギンガムチェックのドレスが有名なブランドブティック「BIBA」。そしてビートルズが経営した「アップル・ブティック」。男性のファッションを変えた「ピ-コック革命」や、細身の3つボタンのスーツ、ミリタリーパーカーとバックミラーをいっぱい付けた「Vespa」でキメる「モッズ」ファッションなどなど。僕が思いつくまま年代に関係なく、(なるべく個人名は出さないで)、大きな動きになったようなものだけをバラバラに並べてみた。まだまだヌケがいっぱいあると思うものの、ざっとこういったイメージだ。

 

さて。イメージが拡がったところで(無理やりじゃないかぁーおーっ!)、スウィンギング・ロンドンの時代へのタイム・トラベルの準備はOK、だよね?

今回は『スウィンギング・ロンドンしなけりゃ意味ないね』(まんまデューク・エリントンの曲名じゃないか)というタイトルにもうひとつサブタイトルを付けてみた。

 

Here Come The Girls In Swinging London

 

そうして。スウィンギング・ロンドンの時代の、自由な生き方を象徴し、その時代を華やかに輝かせた女の子たちを中心に、当時の音楽を挟んで雰囲気を盛り上げながら紹介していこうと思う。

 

それでは、いざ。

Ready Steady Go!当時のロンドンの人気TV番組。テーマ曲は、まさにスウィンギング・ロンドンなマンフレッド・マンであった。)

 

■スウィンギング・ロンドンの時代のガールズ・ポップスを詰め込んだコンピレーションCD。ロンドンを感じさせるとてもスタイリッシュなカヴァー・アートなので、この記事のメイン・ヴィジュアルにした。

タイトルはもちろん『Here Come The Girls』。

音譜このアルバムの中からガールズ・グループ、The BREAKAWAYSの『That's How It Goes』を。当時は、アメリカのモータウンの影響からか、こういったガールズ・グループや女性ボーカルも多かったのだ。

 

音譜続いてサンディ・ショウの『Long Live Love』。

 
■スウィンギング・ロンドンのアイコン、ツイッギー【Twiggy】。”小枝”と呼ばれたスレンダーな彼女は世界で一番、ミニスカートが似合う女の子であった。70年代初頭にはケン・ラッセルが撮った『ボーイフレンド』に主演し、可愛い歌声を披露してくれている。

 
 
 
音譜大きくイメージを拡大しよう。ピチカート・ファイヴによるツィッギーへのリスペクト曲『Twiggy Twiggy』を。もともとはピチカート・ファイヴに加入する前の、野宮真貴のグループ、ポータブル・ロックに佐藤奈々子が提供した曲である。
 
■続いての「Here Come The Girls」は60年代のモデルの頂点、ジーン・シュリンプトン。彼女はスウィンギング・ロンドンを代表するスーパーモデルであり、写真家デヴィッド・ベイリーのミューズであった。
 
 
■デヴィッド・ベイリーとの2ショット。
■ジーン・シュリンプトンが主演した唯一の映画『Privilege』(1967)。ジーンの生の声が聞けるし、動くジーンが見られる。当たり前か。
 
■スウィンギング・ロンドン、そのものであったと言える写真家のデヴィッド・ベイリーがその愛の眼差しで撮ったジーン・シュリンプトンをいくつかと、ジョン、ポール、ミックの写真を。

 

 
 
 
 
 
■ジーン・シュリンプトンの妹で、ミック・ジャガーの彼女でもあったクリッシー・シュリンプトン。
 
 
音譜ゾンビーズの『Time Of The Season』。
 
■ビートルズの、ポールの恋人だったジェーン・アッシャーは、少し下がった目がとてもやさしそうな女の子。良家のお嬢様であったが、芸術的な環境に恵まれて育ち、新しいアートなどに詳しかったので、ポールは随分と影響を受けたはず。ポールとは婚約まで進んだが、ポールの浮気癖により破局している。
 
 
■そしてポールの奥様であった(1998年に亡くなった)リンダ・マッカートニーは、ステラ・マッカートニーの母でもある。当時は売れっ子の写真家としてスウィギング・ロンドンを疾走していた。
 
 
■それならやっぱり、ジョージの元奥様であったパティ・ボイドも挙げておかなければ。
 

 

 
 
 
音譜モッズたちのアンセム、スモール・フェイセズの『Sha-La-La-La-Lee』。
 
■1968年、ビートルズのアップル・レコードの第1号アーティストとして『悲しき天使』でデビューしたメリー・ホプキン。オーディション番組に出演していた彼女をポールに推薦したのはツィッギーだったという。今回は音楽の方じゃなく、「Here Come The Girls」の一人として紹介しておく。
 
 
 
■ミニスカートを一般的に普及させたマリー・クワントのイメージ。
■1955年にマリー・クワントがキングスロードに出したブティック「BAZAAR」。
 
■一世を風靡したブランド・ブティック「BIBA」。
■当時の「BIBA」の店内。
 
音譜ローリング・ストーンズなら、今回の感じはこの曲かな。『一人ぼっちの世界【Get Off Of My Cloud】』。
 
■デヴィッド・ベイリーが師事した写真家、ジョン・フレンチの作品。
 
■これは「シャネル」の洋服の撮影だろうか。
■ジーン・シュリンプトンも幾度となく被写体となっている。これは「マリー・クワント」のシューティング。
 
■ジーン・シュリンプトンと「マリー・クワント」の洋服。
■これも、ジーン・シュリンプトンと「マリー・クワント」の洋服。
 
音譜ウォーカー・ブラザースのスコット・ウォーカーの曲『The Oldman's Back Again』。
 
■ファニー・フェイスなペネロープ・トゥリーもスウィンギング・ロンドンを代表するモデルのひとり。
 
 
 
 
■ミック・ジャガーの恋人であったマリアンヌ・フェイスフル。こんなにも清楚で可憐であった女の子は、スウィンギング・ロンドンの中心にいて、ミックに翻弄されながら徐々に変化し、その後、ドラッグ浸けの時期を通過しながら、やがて深い人生が歌える歌手になるのである。

音譜マリアンヌ・フェイスフルが歌うストーンズの名曲『As Tears Go By』(但し、映画はジャン=リュック・ゴダールの『メイド・インU.S.A』のシーンなのでスウィンギング・ロンドンじゃないけれど)。

 
■ミケランジェロ・アントニオーニが撮った映画『欲望』(1967)は、スウィンギング・ロンドン真っただ中を描いた作品。主演はデヴィッド・ヘミングスと、大女優ヴァネッサ・レッドグレイヴ。デヴィッド・ヘミングスが演じた写真家のモデルはデヴィッド・ベイリーであった。当時、スーパー・モデルであったヴェルーシュカも本人役で出演している。因みに音楽はハービー・ハンコック。映画の中ではジェフ・ベックとジミー・ペイジが同時に在籍していた、僅かな時期のザ・ヤードバーズの貴重な演奏シーンが撮られている。
■『欲望』のイメージはとてもカラフルでファッショナブル。
 
■ジュヌヴィエーヴ・ウエイト主演の、とてもおオシャレな映画『ジョアンナ』(1969)。
 
■1965年に撮られた、個人的にはスウィンギング・ロンドン最重要作。監督はリチャード・レスター。主演はリタ・トゥシンハム。あのジェーン・バーキンも、シャーロット・ランプリングも、ジャックリーン・ビセットも、みんなこの作品からデビューしたのであった。
 
■人気が高かった写真家、ブライアン・ダフィーの作品。写真家が変われど、とにかくジーン・シュリンプトンがいかに多くの写真家の被写体になっていたかが分かるなイヒ
 
 
 
 
■時代は1973年代だけれど。デヴィッド・ボウイのアルバム『アラジン・セイン』のカヴァーの、有名な作品なので。因みに『ジギー・スター・ダスト』や『ロジャー』(エゴン・シーレが描いた自画像のようなポーズのカヴァーだ)も、ダフィーがそのアルバム・カヴァーやイメージ撮影を行っている。
 
■同じく人気写真家であったテレンス・ドノヴァンの作品はマリアンヌ・フェイスフルから。
 
 
 
■ジミ・ヘンドリックスもスウィンギング・ロンドンのある側面を象徴していたのだと思う。
 
音譜とてもグル―ヴィでカッコいいインスト・バンド、ワインダーK.フロッグの知る人ぞ知るアルバム『Sunshine Super Frog』から『Mercy』。

 

音譜黒人のようにR&Bが歌えたクリス・ファーロウの『Out Of Time』。

 

■「Here Come The Girls」の最後に紹介する女性は、イギリスのTV番組『サンダーバード』(日本でも人気が高かった、国際救助隊が活躍する人形劇)に登場するレディ・ペネロープこと、ペネロープ・クレイトン=ワード。運転手のパーカーが運転する、カスタムメイドされたピンクのロールスロイス「FAB-1」に乗って登場する姿が実にスタイリッシュかつ可愛いのである。

 
 

音譜スウィンギング・ロンドンを代表したモッズ。リアルタイムの作品ではないが、当時の、その行き止まりな青春を想い入れたっぷりに描いた1979年の映画『さらば青春の光』。原題はザ・フーのアルバム『四重人格』と同じ【Quadrophenia】。曲は映画でも使われた『Cut My Hair』。

音譜そして、この映画で僕が知ったのは当時のモッズたちはブルー・ビート(60年代初期のジャマイカのオーセンティックなスカ)を聴いていた、ということだった。なので。映画の中では、とても小さな音でラジオからブルービートが流れてくる感じだったので、できれば音量を絞って聴いて欲しい(そんなこと、いちいちできる訳ないだろーおーっ!)。曲は当時、「ブルービート」というレーベル(このレーベル名からブルービートと呼ばれたのである)からリリースされた、当時、スカタライツのメンバーだったローランド・アルフォンソのソロ・シングル『Jericho Chain』。
 
■最後は、当時のロンドンの様子がよく分かる写真をいくつか紹介して終わることにする。
 
 
 
 

今回、スウィンギング・ロンドンの、ほんの側面しか紹介していないという記事になったが、それでも貼り付けた写真や音楽が多く、情報を詰め込んだような気がしないでもない。

いや、そんなのウソ。とにかく長いよ。長過ぎるよーおーっ!

なので、せめて。興味が湧いたところだけを、つまみ食いしていただければ、それだけで十分だと思っている。

 

とりあえず。長い記事を最後までスクロールしてくれて、ありがと。

 

それでは、また。アデュー・ロマンティークニコ

 

 

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