No.0107 ピーター・リンドバーグとスティーヴン・マイゼル。モードと写真の美しき関係。 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

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僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

こんにちは。僕のブログ【アデュー・ロマンティーク】へようこそ。

さて今回は、もう6回も同じテーマで書いていて、僕の中では完全シリーズ化になっている『モードと写真の美しき関係』の7回目です。僕自身も何だか、ファッション写真の歴史をアーカイヴをする使命があるのかな、と感じ始めている今日この頃(勝手に何を言ってるのかなショック)、なんですが。


さて。いきなりだけど、有名な人気作家がいかにも書きそうなレトリックを引用して、話を少し変えてみることにする。そう。『モードと写真の美しき関係』についてなら、僕にはほんの少しは語るべきことがあるし、実際にそうしてきた。けれど『モードと釦の美しき関係』については、僕には何も語るべきことがないし、『モードと皮職人の美しき関係』についても、何も語るべきことはない。そういうことだ。
つまりは。僕に限らず誰でも、世の中のすべての森羅万象を語り尽くすことなんてできっこない、ということ。

 

もちろん、そんなことは言われなくても分かっている(誰も何も言ってないよー。自分で自分に突っ込んでいるだけじゃないか。変な人だね笑い泣き)。例えどのようなテーマの記事であっても、僕は常に僕自身が知っている範囲、僕自身が感じている範囲、僕自身が伝えたいと思う範囲でしか語れないということを理解した上で語ろうとしている(例えそうであったとしても、それでも100%を語ることはできないのだが)。

そのような中で。僕のブログを読んでくださる方には、今回の『モードと写真の美しき関係』の拙い記事から何かしら、少しでも『モードと写真の美しき関係』についてのことが、そのような感じのことが、伝わるようにと、願うばかりなのである。

いったい何だろう。今回の記事の中に、このような話を挿入する予定など、まったくなかったのに。それでも勝手に入り込んできてしまったのだから仕方がない。まぁ、僕のブログ記事が100回を超えて、その記事を読んでくれる方の数も増えてきて(ほんとに、ありがとうございますニコ)、僕の心にも何らかの変化があったのだな、と思ってはいるけれど。

さてと。話を戻すことにしよう。今回は、80年代から活躍し、90年代には、(60年代に大活躍したデヴィッド・ベイリーと同じように)数々のスーパーモデルを視姦し続けてきたスーパーなファッション写真家、ピーター・リンドバーグと、同じく90年代にスーパーモデルであり、時代のミューズでもあった、リンダ・エヴァンジェリスタを発見し、数々の一流ファッション誌のために実に多彩な作品を撮り続けてきたスティーヴン・マイゼルについて語ろうと思う。

ピーター・リンドバーグ【Peter Lindbergh】は1944年生まれ。西ドイツで幼年期を過ごし、美術学校で絵画を学んだ後、写真を始めたのが27歳のとき。2年の見習い期間の後、広告写真家として独立。ファッション写真に専念するため1978年にパリへ移り、その後、90年代に所謂、スーパーモデルブームを牽引した世界を代表するファッション写真家である。作風は基本的にはモノクロームで、モデルたちの、微妙な心の変化を切り取ることができる一瞬の閃きこそが彼の作品の魅力なのだと思う。それでは、90年代に一世を風靡したスーパーモデルたちの美しさを封じ込めた、ピーター・リンドバーグの作品を紹介しよう。

■スーパーモデルたちの肖像。左からナオミ・キャンベル、リンダ・エヴァンジェリスタ、タチアナ・パティッツ、クリスティ・ターリントン、そしてシンディ・クロフォード。眩暈がするようなゴージャスな作品。

■映画「フィフス・エレメント」や「バイオハザード」の女優であり、数々のファッション写真家の被写体にもなったミラ・ジョヴォヴィッチ。これはリンドバーグの代表作だと思う。

■リンドバーグの一瞬の「閃き」と、ケイト・モスの一瞬の、「美」。

■リンドバーグにとってケイト・モスとは?この作品もその、ひとつの回答ではあるが、リンドバーグは都度、「ケイト・モスとは?」という問いに対して、いくつもの回答を引き出してくるのだ。

■クリスティ・ターリントン。そのスーパー・モデルの日々を追ったドキュメンタリー映画『Catwalk』(1996)を観るだけで、クリスティの魅力は十分過ぎるほど伝わってくるのだが、リンドバーグが撮った写真にもまたクリスティの別の魅力が溢れていて、そこには写真であることの価値が定着されているのだ。美しく、可愛らしくて、知性的で、自然体で…。すべての賛辞を捧げたい女性、クリスティ・ターリントン。個人的にも僕のミューズである。

■リンダ・エヴァンジェリスタ。どのようなヘアスタイルでも、最新のモードを着こなすことができる、はっきりしたルックスが魅力。

■ハリウッド女優のようなシンディ・クロフォードは、実際に多くの映画やミュージック・クリップにも出演。
1991年にはリチャード・ギアと結婚するなど(1995年に離婚)、その人生はゴージャスそのものである。


■水着のような衣装でカートを押しつつ、振り向くシンディ・クロフォード。よく分からないシチュエーションだが、ただただシンディの迫力を感じるのであった。

■大人の魅力が全開の、スーパーモデルであり女優でもあるアンバー・ヴァレッタ。化粧品ブランド「エリザベス・アーデン」のイメージモデルを長年、務めた。90年代にはレオナルド・ディカプリオと付き合っていたことも。

■90年代スーパーモデルのひとり、タチアナ・パティッツ。

■他のスーパーモデルに較べると幾分、地味な感じがするクラウディア・シファー。けれど90年代には
B.Bこと、ブリジット・バルドーに例えられていた。

■都会でシャネルのセミロングボードを抱えるモデルというミスマッチ。僕もシャネルのボードで波乗りしたかったな。映えるだろうなぁ、と思う。

■スーパー・モデルたちに囲まれるピーター・リンドバーグ。今、世間では写真家がモデルに対して行った過去のセクハラ行為が問題になっているよね。リンドバーグは大丈夫なのかと思いつつ、そういったことの動きに対して僕は「いい」か、「悪い」かは語らないという主張を通したい。


そして。もう一人の主人公であるスティーヴン・マイゼル 【Steven Meisel】は、1954年、ニューヨーク生まれ。 美術大学でイラストレーションを学び、最初はファッションデザイナーの元でイラストレーターとして働くも、アーヴィング・ペンやリチャード・アヴェドンといった写真家を敬愛し、次第にイラストより写真という表現に魅かれていくようになる。当初はイラストレーターとして仕事をする傍ら、週末はモデルのために写真を撮り始め、その後、彼が撮った作品がセブンティーン誌の編集者の目に止まり、本格的に写真家に転向。現在までアメリカとイタリア版「VOGUE」誌や、ドルチェ&ガッバーナ、プラダ、ヴェルサーチ、アルマーニ、カルバン・クラインなどの広告も手掛け、業界で最も成功しているファッション写真家の一人として長く活躍している。作品風としては、モノクロでもカラーでも、シンプルな状況でも豪華なセットでも、また、エレガンスなものであっても可愛いものであっても、ボーダーレスに撮れる、その多彩さが魅力なのかな、と思っている。

■マイゼルが発見した、マイゼルが撮ったリンダ・エヴァンジェリスタ。これは「BARNEYS NEWYORK」のためのショット。とても上品で可愛い。

■同じくリンダ・エヴァンジェリスタの、最高の笑顔。

■少しコケティッシュな雰囲気で撮られたクリスティ・ターリントン。

■クリスティとナオミ・キャンベルの唇の合わせ技。SEXYだよね。

■60年代に活躍したデヴィッド・ベイリーへのオマージュだと思う。ベイリーはジーン・シュリンプトンで撮ったが、マイゼルはナタリア・ヴォディアノヴァで撮った。時代は巡る。

■カラーで撮られたクリスティのグラマラス&SEXY。

■マイゼルは創り込んだ作品も得意なのだな。

■可愛らしい写真も、とてもマイゼルらしいと思う。





■ヴィクトリア・サゾンキナはウクライナ出身のモデル。このショットは、1930年代のセックスシンボルであったハリウッド女優、ジーン・ハーロウのイメージなのかな、と勝手に思っている。

■中国が生んだスーパーモデル、Fei Fei。

■マドンナを撮った一連のシリーズは、マドンナのセカンドアルバム『ライク・ア・ヴァージン』でのフォトセッションから始まった。マドンナという被写体がいるだけで、写真のクォリティは約束されたようなものだが、マイゼルが撮るとマドンナはまた別の輝きを増すのだ。



■モデルとしても数多く被写体になっているソフィア・コッポラ。美しき大監督の、ヴァージン・スーサイズな肖像。


ピーター・リンドバーグとスティーヴン・マイゼル。この二人の写真家を組み合わせることについては、あまり新鮮味がないし、普通だなぁ、と思ってしまう。けれども。歴史は繰り返される訳で、時代の流れの中で、ある時は80年代テイストの音楽が流行ったり、ある時は90年代渋谷系の音楽が流行ったり。今、大注目されているロックバンド、グレタ・ヴァン・フリートも、その音楽は70年代のレッド・ツェッペリンをリスペクトしていたり。もちろん。音楽だけではなく、他のさまざまなジャンルであっても、「今」に対する回答が「過去」に求められたり、逆に「過去」に対する回答が「今」に求められることもあるし。都度、ディケイドによる再生があって、再び消費されていくという「創造」と「消費」のサイクルがある訳だ。
 
その時代を知っている人たちには懐かしく、その時代を経験していない若い人たちには常に有効であるのだし、例えどのような時代にあっても、これからも常に懐かしく、有効であり続けていくディケイドが再生されていくのだろうと思う。タイミングさえ合えば、多分ね。

それでは、またねニコ

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