こんにちは。僕のブログ【アデュー・ロマンティーク】へようこそ。
僕の中ではもはやシリーズ化している(と思っている)『モードと写真の美しき関係』の3回目、語ります。最初はリチャード・アヴェドンとアーヴィング・ペン、2回目はウィリアム・クラインとデヴィッド・ベイリー、そして今回はジャンルー・シーフとヘルムート・ニュートンのこと。錚々たる人たちの名前が並んできて、何だかファッション雑誌みたいでうれしいな、と。ジャンルー・シーフはウィリアム・クラインと同じく1950年代中頃から60年代に活躍したファッション写真家であり、ヘルムート・ニュートンは活動期間は長く、主に1960年代中頃から80年代に活躍した、広い意味でのファッション写真家である。
それでは、まず。ジャンルー・シーフのことから語っていこう。
ジャンルー・シーフ【Jeanloup Sieff】は1933年のパリ生まれ(~2000)。1955年にフランスのファッション誌『エル』の写真リポーターとしてデビュー。1960年代にはパリとニューヨークを拠点にして『ハーパース・バザー』、『ヴォーグ』、『エスクアイア』などの雑誌でファッション写真家として華やかに活躍。その後、多くのファッション写真家がそうだったように、70~80年代はヌードやポートレイトなどアーティスティックな作品に活動範囲を広げた。モノクロ写真に徹底し、数多くの傑作を残している。その作風は映画の1シーンのようであり、ポール・デルヴォ―の絵画のようでもある、美しくも奇妙な世界。或いは巨大な建築物とモデルを対比させた大胆な構図の作品群である。また、ジャンルー・シーフには2人の子供がいて、娘のソニア・シーフは父の写真の影響を受けながらファッション写真家として大成功しており、その弟のサッシャも現在、音楽プロデュースなどで活躍している。
それでは、ジャンルー・シーフの美しい写真を紹介していく。
■トリケラトプスとモデルという大胆な構図。リチャード・アヴェドンの象とモデルにインスパイアされているようにも思う。
■ビートルズのアルバム『ラバーソウル』を抱えるモデル。クラシックな雰囲気と『ラバーソウル』との組み合わせがモードなのだ。
■映画のような。だけど、とても奇妙なこの感じが僕の中では、ポール・デルヴォーのイマージュなのだ。
■同じく、ポール・デルヴォーのイマージュ。
■こんな1シーンが登場する映画があれば、それはとてもおもしろい映画なのかな、と思う。観ようによってはシュルレアリスム的でもある。
■巨匠アルフレッド・ヒッチコックまで登場させて表現したかったものは、あまりに映画的な、あまりにヒッチコック的な、構図なのだと思う。
■ジャンルー・シーフは風景写真にもオリジナリティを見出していた。
■60年代末パリのアイコン。ゲンスブールとジェーン・バーキン。或いは『出口なしの愛』。
そしてヘルムート・ニュートン【Helmut Newton】のこと。1920年、ドイツのベルリン生まれ(~2004年)。青年時代から写真に興味を持ち 、同じドイツの写真家エルゼ・ジーモンのもとで働く。 1938年ユダヤ人への迫害が起こったためドイツを離れ、シンガポールの新聞社で写真家として働く。1940年から1945年までは、オーストラリア軍の軍務に。 戦後、フリーのカメラマンになり、その作品が『PLAYBOY』を始めとする多数の雑誌に載るようになる。 1956年にはイギリス版『ヴォーグ』誌と契約。1961年にパリに移ってからは『ヴォーグ』を始めとするフランスの雑誌に多数の作品が発表。徐々に高い人気を得ながら、特徴的な作風であるサディズム、マゾヒズムとフェティシズムなどを内包した、むせ返るようなエロスを発散するスタイルを確立。その後、1980年代においても精力的に写真の表現を拡げていった。
ヘルムート・ニュートンが撮った、「過剰」な世界を紹介しよう。
■「Strange !」。ストーリー性と大胆な構図で表現された見世物的奇異な世界。圧倒的な迫力である。
■女優、シャーロット・ランプリングを撮った、ニュートンの代表作。
■アルフレッド・ヒッチコックの傑作映画『北北西に進路を取れ』(1959)の、ケーリー・グラントが複葉機に追われるシーンにインスパイアされた作品。当時の写真家はみんなヒッチコックが好きなんだな。
『PLAY BOY』のバニーガールが描き出す物語。都市とエロスが交差する。
■リリアナ・カヴァーニの映画『愛の嵐』のスチール写真のような作品。
■ニュートン・カラーと呼びたいヘルムート・ニュートンのカラー写真。意味を持たないテーマが意味を生み出すという…。僕は好きだな。
■ニュートン・カラーで撮られたプールサイドの写真シリーズは、セレブリティであり、退廃でもある。
■この写真はニュートンの代表作のひとつ。
ジャンルー・シーフの作品は、太陽の光が薄っすらとだけ差し込む曇天の世界。一方のヘルムート・ニュートンのモノクロ作品は紛れもない「黒の世界」であり、カラー写真は強烈な太陽の光の世界でありながらも、どこかに陰りがあって、病的である。
どちらも。単なるファッション写真家であることを超えて、唯一無二のオリジナリティを放つ作家だと思う。
次回の『モードと写真の美しき関係』では、誰にスポットが当たるのかな。お楽しみに。
それでは、またね。
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