No.0087 僕の妄想。話題のクィーン映画『ボヘミアン~』の次は、ボブ・マーリーの自伝映画だ。 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

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クィーンの映画、というよりはフレディ・マーキュリーの自伝映画であった『ボヘミアン・ラプソディ』を観終わった後、僕の中でふつふつと沸き上がってきたものがある。フレディ・マーキュリーの自伝映画『ボヘミアン・ラプソディ』の次はボブ・マーリーの自伝映画だな、という妄想である。

 

偉大なミュージシャンの伝記映画は(映画の出来不出来は別として)、過去から現在まで、例えばボブ・ディランの『アイム・ノット・ゼア』(2007)、ガス・ヴァン・サントが撮ったニルヴァーナのカート・コバーン『ラストデイズ』(2005)、ビートルズの初期のメンバーであったスチュワート・サトクリフの『バックビート』(1994)、クリント・イーストウッドが撮ったチャーリー・パーカーの『バード』(1988)、マイルス・デイヴィスの『マイルス・アヘッド~空白の5年間』(2015)を始め、ブライアン・ウィルソン、ザ・ジャクソンズ、レイ・チャールズ、グレンミラーやビリー・ホリデイ、エディット・ピアフからモーツァルトまで、数多く創られてきているが、『ボヘミアン・ラプソディ』を観た今、次に創られるべきはボブ・マーリーの伝記映画だと断言したい。ミュージシャン、ソングライターとしてのボブ・マーリーの豊かな才能、ボーカリストしては唯一無二。そして当時、ほとんど知られていなかったレゲエという音楽を世界中に広めることができた推進力と、いくつかの奇跡を呼び込む運、カリスマ性やオーラ。死後40年近く経過しているにも関わらず、現時点でもその影響力は絶大、ボブ・マーリーのすべてが、あまりにも魅力的であり、今こそ、彼の伝記映画が創られることを渇望する(いったい誰に向かって言っているのかなぁzzz)。


実のところ。映画のタイトルはもう決まっているのだ(僕の妄想ですけどねにやり)。『One Love~People Get Ready』。『ボヘミアン・ラプソディ』の音の編集力が生み出した、映像と音楽が見事にシンクロする、あの感じを(音楽映画『ベイビー・ドライバー』以後を感じさせる編集だと思う)、ボブ・マーリーの音楽で体感できたら。しかも、その音がいい感じでDub処理されていたら。そして、その音がボブ・マーリーのストーリーと重なってきたら、どんなに幸福なのだろうか、と。そんな映画のことを、僕は妄想していたのであった。

 

それでは。この際、ボブ・マーリーの偉大なる軌跡を簡単にざぁーと紹介してみます。


ボブ・マーリーこと、ロバート・ネスタ・マーリーは、1945年ジャマイカで生まれる。父親がジャマイカ最大の建設会社を経営していたため裕福な暮らしをしていたが、ボブが10歳の時に父親が亡くなって以後、暮らしは一転、母と共にキングストンのスラム、トレンチタウンに移り住むことになる。間もなく、盟友バニー・ウェイラー、ピーター・トッシュと知り合い、音楽活動をスタート。1962年に『Judge Not』でレコードデビュー。レゲエの前身であるスカのコーラスグループとしてティーンネイジャーズ、ウェリング・ルードボーイズ、ウェイリング・ウェイラーズを経てウェイラーズとして活動。1970年にはキングストンに自らのレーベルであり、スタジオでもある「タフ・コング」を設立した。

 

そして1972年、クリス・ブラックウェルのアイランド・レーベルと契約したことで(音楽的にはクリス・ブラックウェルからさまざまな注文が付けられていたようだが、この契約がなければボブの人生と、レゲエの行方はどうなったのかは分からない、という意味で奇跡が起こったのである)、世界への扉が開かれることになる。デビューアルバムは傑作『キャッチ・ア・ファイアー』。続いて『バーニン』をリリースした後、バニー・ウェイラーとピーター・トッシュが脱退し、グループ名がボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズとなる。メンバーはギターとボーカルがボブ・マーリー。ドラムスのカールトンとベースのアストンによるバレット兄弟(1969年からウェイラーズに変則的に参加) 。 ギターのジュニア・マーヴィンとアル・アンダーソン。キーボードはアール・ワイヤ・リンドとタイロン・ダウニー。パーカッションはアルヴィン・パターソン。ボブの奥さんだったリタ・マーリーを中心にジュディ・モワット、マーシャ・グリフィスによるアイ・スリーズがコーラスを担当した。

 

ちょうどその頃、二つ目の奇跡が起きる。『バーニン』の中の1曲『アイ・ショット・ザ・シェリフ』をエリック・クラプトンがカヴァーしてビルボードチャート1位に。その勢いを得てボブ・マーリ&ザ・ウェイラーズのライヴ・アルバム『Live!』(『アイ・ショット・ザ・シェリフ』も収録されている)が世界中の音楽界に衝撃を与え、熱狂と共に、じわじわと耳の超えた音楽ファンに迎え入れられていく。

 

そして 1976年。ボブはプロデューサーのクランシー・エクルズらと共にジャマイカの政党、マイケル・マンリーが率いる人民国家党 (PNP) の政治キャンペーンに参加したことから、エドワード・シアガが率いるジャマイカ労働党 (JLP) の二大政党の対立抗争に巻き込まれ、その年の12月3日に狙撃され負傷。亡命を余儀なくされる。1978年に ジャマイカに舞い戻り、4月22日にキングストンで「ワンラブ・ピース・コンサート」に出演する。このとき、コンサートを見に来ていたマイケル・マンリーとエドワード・シアガの2人の党首をステージ上に招き、和解の握手をさせた。三つめの奇跡である。
蛇足であり、妄想の継続であるが、この「ワンラブ・ピース・コンサート」は、クィーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』のフィナーレを飾った「ライヴ・エイド」のシーンと同じように、ボブの伝記映画の(何度でも言うけれど、僕の妄想だよ)メインシーンになるライヴだと言える。

 

その後は、1979年に日本、オーストラリア、ニュージーランドでのツアーを行った後、ラスタファリズム(レゲエをレゲエたらしめている宗教であり、精神の支柱でもある)の聖地、エチオピアをはじめとするアフリカの国々を訪問。このときの体験をもとにアルバム『サヴァイヴァル』を発表。1980年には西アフリカ、カンボジアの大統領の誕生日パーティーで演奏するなど、いろいろな意味でレゲエという音楽で世界を繋いだ。


だがしかし。天才ミュージシャンの宿命と言うべきか。悪性のメラノーマ(悪性黒色腫)を発症。医師からは手術を勧められるも、ボブは宗教的な理由でこれを拒否。やがて腫瘍は全身に転移し、手が付けられない状態にまで悪化して、1981年5月11日、ボブ・マーリーは36年の短いながらも、濃縮された人生を閉じるのである。

 

■笑顔が素敵な、ボブ・マーリー。

♪ウェイリング・ウェイラーズ時代の、『One Love』オリジナル・スカ・ヴァージョン。

■ウェイラーズ。左からバニー・ウェイラー、ボブ・マーリー、ピーター・トッシュの鉄壁のトリオ。

♪名曲『アイ・ショット・ザ・シェリフ』。これを聴いてしまうと、クラプトンのカヴァーはレゲエではなく、レゲエ風味のロックであることが分かる。だけど、クラプトンのおかげでレゲエの扉は大きく開かれたのだ。

■バニー・ウェイラーとピーター・トッシュが在籍していた頃のウェイラーズ。

♪アルバム『エクソダス』の中の名曲『Waiting In Vain』。

■ボブ・マーリーとザ・ウェイラーズのメンバー。

♪名曲中の名曲『Redemption Song』をボブの弾き語りで。

■ボブはキャスケットも似合ってしまう。

♪僕の妄想映画のタイトルソング『One Love~People Get Ready』。『People Get Ready』のオリジナルは

カーティス・メイフィールドのインプレッションズ時代の曲だ。


■今回、ボブの写真はすべて笑顔のものを選んだ。どの写真からも愛が溢れているよねニコ



と、ここまで書いてきたところで。
何気なくネットを見ていたら、何と、昨年の夏頃にボブ・マーリーの伝記映画の制作が発表されていた。
この情報を知ってしまって、この記事は没にしようかとも思ったけれど。いや、いや、クィーンの『ボヘミアン・ラプソディ』を観た後に、ボブ・マーリーの伝記映画の妄想が湧き出したのは事実なのだから、この情報のことを追加してこの記事をUPするに至った。逆に、この情報を知らないまま記事をUPした後、誰かからこの情報を伝えられてしまったとすれば、その方が僕にはショックだったはずだえーん
 
結局は僕の妄想が現実に進んでいたという、ボブ・マーリーの自伝映画(制作がとん挫する場合もあるし、フタを開ければ自伝映画ではなくドキュメンタリーかもしれないし(それでも大歓迎だ)。まだまだ油断は禁物だ)。
しかも。この映画の制作の中心にいるのはボブとリタの息子であり、シンガーでもあるジギー・マーリーなのだそうだ。ジギーが絡んでいるなら大丈夫だとは思うが、くれぐれもボブの名曲の数々を慎重に(かつ大胆に)扱ってほしいな、と思う。

 

この映画、日本でも公開されるのかな。公開されるとすれば今年なのかな。そして、その映画のタイトルは『One Love~People Get Ready』なのかな(まさか!)。
 楽しみであり、ワクワクするような話だ。
 
それでは、またニコ。『ジャー・ラスタファーライ!』。