コロナゆえひねもすのたりのたりかなでは方丈記風に: 行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。いにしへ見し人、あしたに死し、ゆふべに生るゝならひ、たゞ水の泡にぞ似たりける。令和二年三月四月かとよ。巷には目に見へぬ毒気漂い、都の官吏往来を止め、邊り一面行き交う人もなし。閑散とした通りにただ野鳩の遊べる景色ばかりになりぬ。 アンニュイと話しかけたる鳩一羽