第3章は、「ネットが悪いのか −  SNS言語の侵略」です。

 

〈クラスで騒いでたやつ、だれって言わなくてもみんなわかるよね〉

〈あいつまじないわ〉

〈きも〉

〈きも〉

〈きも〉

〈死ね〉

〈さよーならー〉

 

ある公立中学のLINEグループのやりとりだそうです。

 

ある調査によると、中高校生は平均で1日に3時間ほどスマホを

使っていて、中学生の5人に1人、高校生の3人に1人は4時間以上

使用しているそうです。

 

動画投稿・共有サービスを見る、ソーシャルメディアを見る・書く、

オンラインゲーム・ソーシャルゲームをするのが多いです。

似たような子供が集まる傾向があるようです。

 

ネットトラブル解消を担う事業所によれば、SNSで情報を発信する側は、

その瞬間に頭に浮かんだことや思ったことを、ストレートに言葉で

表現するそうです。

特定の誰かに話しかけるというより、独り言のようにつぶやくことが

多く、文章ではなくてぶつ切りの単語になりがちだそうです。

 

実際に顔と顔を突き合わせて話をする場合は、

① 感じる → ② 相手の気持ちを想像する → ③ 言葉を整理する 

→ ④ 発言する という流れですが、

ネットの言語空間では②〜④を省略して、①の感情をそのまま

言葉にしてしまいます。

 

ゲームでは、プレイヤー同士がボイスチャットでつながっていて、

当たり前のように『さっさと、ぶっ殺せ!』『クソ!死ね!』

『ざけんじゃねえ!』『帰れ、かす!』みたいなことが言われ、

それを自分が言われたように感じて傷つくこともあるようです。

ヘッドホンをしてるので、親がそばにいてもそんな言葉が飛び交って

いてもわかりません。

 

このようにして子供たちが荒れた言語空間に身を置いていれば、

言葉の暴力性に無感覚になっていきます。

そして日常言語としてそれらを用いている間に、感情の

グラデーションや他者への想像力が脆弱になっていき、やがては

他者を傷つけるどころか、自分の将来を破壊することにさえ

鈍感になっていく危険性が高いのです。

 

ゲームの運営会社が乱暴な言葉を規制したり、不安を増殖する

仕組みをなくしたりするべきですが、それとは逆にそれらを

煽ることでゲームに釘付けにし、巨万の富を得られる構造に

なっているようです。

 

ネット内で使われる特殊な悪い言葉があります。

「池沼(知的障害者)」「ガイジ(障害児)」「ナマポ(生活保護受給者)」

「ピザ(デブ)」「自宅警備員(ひきこもりl)」「メンプレ(メンタル崩壊)」

「厨二房(中二病)」「糖質(統合失調症)」「ひy(卑猥)」「is(カス)」

「BBA(ババア)」

私はひとつも知りませんでした。

 

著者が取材した女子高校生の自殺の事件でも、教室でひどい言葉を

浴びせられたり、ネット上で仲間はずれにされたりのケースで、

その加害者といえる立場の高校生に自分が人を傷つけるような

言動をした自覚がないことも報告されています。

 

私たちにはとても言葉として発せないような言葉が野放しに

なっていること、そういう新しい特殊な言語環境にすべての子供たちが

さらされている事実を私たち大人は知っておくべきだと著者は伝えています。