今、図書館で借りてる本に、「この世を生き切る醍醐味」という

のがあって、著者は樹木希林さんになってますが、朝日新聞の

編集委員石飛(いしとび)徳樹(のりき)さんがインタビューした

ものです。

 

樹木希林さんといえば、「一切なりゆき」が有名ですが、

あれは確か希林さんが著書やインタビューで語った中からの

抜粋だったと思います。

それはそれでおもしろかったと思いますが、希林さんの

語った一部なのでどうしても編者の意図が反映されます。

 

こちらは3回に渡ったロングインタビューなので、より

希林さんの言葉が味わえます。

(それも余命1年未満という状況の中のものです。)

 

子どもの頃のことも語られ、琵琶奏者だった父親から

お母さんが営んでいた大衆酒場で客や従業員から彼が

聞いたことをよく話してくれたそうです。

希林さんの父親は他人の行動を面白がって人の観察を

するのが好きだったと言います。

 

こんな話もあったそうです。

「なんとかちゃんがね、昨日、死んだんだよ。」と。

「かけつけてみたらば、馬券を握ったまんま、こうやって

ひっくり返ってた」って。

「それで調べたら、それが当たり馬券で、その金で葬式が

出せたんだよ。大したもんだ。自分の葬式を馬券で払うんだから」

 

希林さんは小学生のころはおとなしくて目立たない子だった

そうです。

中学生になって、勉強はよくできたので周りから一目置かれた

のを境に、だんだんよくしゃべる、生意気になっていった

そうです。

まるでそれまで溜めていたものがばあ〜っと出るように。

 

高校卒業後、文学座に入ってからも、芝居のことなどあまり

わからなかったので、自分が思ったことをズバズバ言って、

けっこう生意気だったそうです。

 

そんな希林さんが演技の上で一番影響を受けたのが

森繁久彌さんと語っています。

 

モリシゲヒサヤ?

誰?それ?

っていう人も多くなったでしょうか、

俳優さんなんですが、語るのも、歌うのも、書くのも

一流の人です。

「知床旅情」の作者でもあります。

 

森繁久彌さんは、とにかく人間観察がすごかった、と希林さんが

言います。

昨日見たあれこれをよくドラマの撮影の時に話してくれた

そうです。

 

希林さんが覚えてるのは、

昨日車での帰り道、自転車に乗ってた人とぶつかって、

運転してたのは助手だったけど、自分が降りて、

「おい、怪我はないか、大丈夫か?」と聞いたら、

年配のそのおじさん、あちこちぶつけて痛かっただろうに、

自転車をさすりながら「昨日買ったばかりなのに・・・」って

言ったのよ。

こっちは青くなって怪我はないかって聞いてるのに、

自転車をさすって「昨日買ったばかりなのに」って言うのが

先なんだから。

 

自分の体と自転車とどっちが大事なんて決まってるのに、

人って時々意味がわからない行動をします。

 

人間の一面をしっかり捉えてるんですね。

そうして観察したあんなふう、こんなふうな人間らしさを

芝居の中で出していってることに希林さんは気づいて、

それが一番影響を受けたと語っています。

 

私、最近気づいたのですが、自分ってけっこう人を見るのが

好きなんだ、ということに。

 

直接見る場合だけでなく、今回のように本を通して、希林さんや

森繁さんを見る場合もあって、人間って面白いなあと

思えることが好きなんでしょうね。

 

この本、まだ途中までしか読んでませんが、とてもおもしろい。

また紹介します。