村上先生は、全家研の第5代総裁、外山先生は第3代総裁です。

 

現在では、総裁という言葉は分かりにくいので、私は勝手に

精神的リーダーとしています。

 

外山先生は、現在でも東大生に一番読まれている「思考の整理学」の

著者です。英文学者であり、言語学者です。

 

その対談の冒頭に両先生がこんなことを言っておられます。

 

村上先生

(3・11 東日本大震災に関して)

「このまま推移すれば、おそらく世界も日本も、環境問題から

破綻していくかもしれません。

 

地球では人間だけが存在しているのではなく、多くの生き物と

共存しているわけです。

 

ところが私たちはいま、ややもすれば他の動物や、まして資源の

ような自然の存在を忘れて『人間だけが』『私だけが』という

思いにとらわれがちになっている。

 

天災はそんなおごりに対するメッセージといえるのではないでしょうか。」

 

外山先生

「日本人は戦後、素朴な心を軽んじるようになり、心よりも利益を

追求し競争に勝ちたいと欲望に振り回されてきた面があると

感じています。

 

そんなときにあのような大災害が起き、なんとかして立ちあがろう、

立ち上がってほしいと願う純粋な気持ちを呼び起こされました。

 

大きな不幸をのりこえようというこの気持ち、精神のあり方、

これこそが人間力であり、たいへん大切なものだと思います。

 

たんに利益を得ようとか、ただ仕事をするというのではなく、

人間として美しく強く生きていこうという、人間愛みたいなものを、

私たちはいま感じているのではないでしょうか。

 

それはもともと日本人にそなわっていたものだと思うのですが、

近年の風潮は必ずしもそうではありませんでした。

 

今回の大災害によって私たちのなかに眠っていた本心に目覚め、

ほんとうの意味での人の愛と悲しみを感じとって、少しばかり

高い人間性に向かって進みたいものだと思います。

人の身の上を案ずる、そういうやさしさというものが目覚めた

ような気がします。」

 

「明日への叡智」(新学社)より引用

 

村上先生の言葉は、今のコロナ禍でもぴったり当てはまる言葉ですね。

 

外山先生のおっしゃえうように、東日本大震災の時には、

国民の一人一人が、「立ち上がろう日本」「がんばろう日本」の

合言葉で繋がっていた気がします。

 

まだ10年しか経っていないのに、今はなんだかその時と

比べても様子が違うような気がします。

 

なんででしょうねえ?

被害が今回は見えにくいこともあるのかもしれません。