プーチン大統領、強硬姿勢-国民には景気後退2年の覚悟促す
(ブルームバーグ):ロシアのプーチン大統領は18日の年次記者会見で、現在の危機は米欧がロシア経済の弱体化を図っているものだと非難。揺るがない強硬姿勢を示した。通貨ルーブルの急落は外的要因によるものだとも述べた。またリセッション(景気後退)が2年続くこともあり得るとして、国民に覚悟を促した。
プーチン大統領はロシアを熊に例え、米欧が「鎖につなごうとしている。つないだらすぐに、牙や爪を抜いてしまうつもりだ」と語った。
数百人の記者団を前に3時間以上に及ぶ会見は、世界中にテレビ中継された。1998年以来最悪の金融混乱について国民を安心させる機会だが、原油安の中でプーチン大統領が取れる景気支援策には限りがある。大統領はこの日、原油価格が1バレル=40ドルになる事態にも備えなければならないと述べた。
プーチン大統領は「外部経済環境についての最悪シナリオでは、現在の状況が2年続くこともあり得る」と警告。「状況が極めて悪い時は計画を変更し、何かを切り詰める必要が生じる」と国民に理解を求めた。
ルーブル下落に対する新たな対応策には言及せず、原油安とウクライナをめぐる米欧からの制裁に直面している今、外貨準備を浪費するべきではないと述べた。
欧州外交評議会(ECFR)の客員研究員、マシャ・リプマン氏は「プーチン大統領はロシアの経済的苦境を全て邪悪な米欧のせいにして、状況を反転させる政策を全く示唆しなかった。自分は常に正しく、反省することなど何もないという強硬姿勢は変わらない」と話した。
>通貨ルーブルの急落は外的要因によるものだとも述べた。またリセッション(景気後退)が2年続くこともあり得るとして、国民に覚悟を促した。
米大統領:対ロ制裁強化の法案に署名-直ちに発動の計画なし
(ブルームバーグ):オバマ米大統領は対ロシア制裁強化を承認する法案に署名した。ただ、直ちに発動する考えはないとしている。
オバマ大統領は18日の声明で「制裁に関する米政権の方針は現地の展開に応じて慎重に調整され、同盟国やパートナーと協調されてきており、今回の法案署名は方針変更を示唆するものではない」と説明した。
同大統領はロシアに対するいかなる追加制裁も欧州の同盟国と協力し、ロシアの行動に対応して調整する必要があると指摘。その上で、「ロシアが必要な措置を講じれば、制裁を緩和する用意があることに変わりはない」とした。
今回成立した法律によってエネルギーや銀行分野での対ロシア制裁の選択肢が広がる。新たな制裁にはロシアの深海や北極圏、シェールオイル掘削プロジェクトに投資した個人への処罰や、米輸出入銀行による支援拒否が含まれる見込み。