G20:金融規制が議題、欧州の銀行同盟も-独財務相が基調演説
11月1日(ブルームバーグ):メキシコ市で4、5両日開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、欧州の銀行同盟の計画やシステム上重要な銀行について話し合われる。ドイツ政府の当局者が1日、ベルリンで匿名を条件に記者団に語った。
ドイツは納税者による巨大銀行の救済が必要になることを防ぐ取り組みを推進している。同当局者はドイツがG20での主要議題を金融市場規制とするよう働き掛ける方針であることを明らかにした。また、規制をめぐる取り組みを上流に向かって舟をこぐことにたとえ、手を緩めれば押し戻されてしまうと指摘した。
ドイツはまた、世界的な景気減速の原因がユーロ圏のソブリン債危機にあるとの見方の打ち消しに努める意向だ。このためショイブレ独財務相はG20の基調演説で、危機の現状に加え、通貨同盟の基盤を強化し混乱を収束させるための長期的取り組みを説明する。
当局者はまた、ギリシャについては債務の持続可能性を中心に多くの未解決の問題があるものの、今回のG20ではギリシャは議題にならないだろうと述べた。メキシコでのG20の主要な課題は世界経済の成長てこ入れだとし、国際通貨基金(IMF)の議決権改革とエネルギー、財政赤字半減の決意の再確認も焦点になると語った。
米財務長官とECB総裁、4日開幕のG20会議に欠席
11月1日(ブルームバーグ):メキシコは20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の開催に向け準備を進めているが、一部の要人の欠席で会合の意義は薄まる恐れがある。
11月4-5日にメキシコ市で開催される同会議に欠席するのは、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁とガイトナー米財務長官のほか、ブラジルとフランスの当局者で、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁の出欠は不明。影響力の大きいこれらの要人が不在となれば、有意義な会合になる可能性はほとんどないとアナリストらは懸念している。
バンク・オブ・アメリカ(BOA)のG10通貨戦略責任者、アタナシオス・バンバキディス氏(ロンドン在勤)は「不幸なことに、世界経済にまだ多くのリスクが残る状況で、G20は大幅に力を弱めている」と指摘。「G20は2008-09年の世界的危機時には困難に立ち向かったが、今では重要性が薄れているようだ」と付け加えた。
これほど多くの欠席はタイミングの悪さが一因かもしれない。米国は大西洋を北上した過去最大級のハリケーンによる被害で復旧作業に追われており、6日には大統領選挙を控える。中国では共産党が10年ぶりの指導部交代を準備しており、欧州ではスペインが救済を要請するかどうかが関心の的となっている。
> 11月4-5日にメキシコ市で開催される同会議に欠席するのは、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁とガイトナー米財務長官のほか、ブラジルとフランスの当局者で、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁の出欠は不明。