下瞼の外反(アッカンベー)です。
分類としては
先天性,瘢痕性,加齢性(退行性),炎症性、麻痺性に分類されます。
どこに問題があるか? で治療方針は変わります。
年齢とともに瞼板(下まぶたの軟骨)はのびてアッカンベーになりやすいです。
この場合は瞼板の長さを短くします。
内眼角部、外眼角部の支持組織が緩んでいれば下瞼への腱移植・腱膜移植での吊り上げや、
瞼板断端の外側骨膜への固定は有効です。
眼輪筋の麻痺があれば、涙袋は消失して、アッカンベーになりやすいです。
皮膚を切除し過ぎればアッカンベーになります。
要は何に原因があるか? が重要です。
この方の原因は単純に
①手術刺激による下眼瞼眼輪筋の麻痺
②術後拘縮(瘢痕)
が原因です。
皮膚欠損はありません。
高齢者のような、瞼板の緩み、支持組織の緩みではありません。
と言うことは、皮膚移植・腱移植・腱膜移植は必要ありません。
麻痺と拘縮が治るまでナイロン糸で『支え』を置いてあげれば良いだけです。
大袈裟なことは必要ありません。
テーピングでも良いのでしょうが、社会生活を考え、
ナイロン糸を通しました。これが楽だと思います。
術後1ヶ月、術後2ヶ月と、
麻痺と拘縮が改善してくるとともに下瞼は眼球にくっついて来ています。
この様に治療方針を立てます
その他、シリーズとして
腱移植、皮膚移植が必要だった症例
腱移植のみで改善した症例