守り柿~未来への願い~ | THE SYOJIN~家庭で出来る精進料理~tokidoki非精進~

守り柿~未来への願い~


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皆さんは、「守り柿」という言葉!?お聞きになった事ありますか?

わたくしの大好きな日本の風習のひとつです。

柿の木には、沢山、柿の実が、実りますよね柿

日本では、必ず、ひとつ残すそうです。

その柿の事を、「守り柿」というんです。

そこには、自然に対する畏怖と感謝の気持ちが表れているといいます。


「沢山の恵みをありがとう。来年も、宜しくお願いします・・・」と・・・


今年は、柿の収穫が、よくなかったそうですね・・・


最近は、軒先に「干し柿」をされる方が、少なくなりました。

先日、お法事にお伺いさせていただくと・・・


軒先に、柿が干されていましたkaki☆☆


「○○さんにひひ美味しいそうな干し柿ですねラブラブ!風情があってええですねにひひ


「テツゲン和尚さんニコニコ今日、法事をお勤めしていただいた義理のお母様は、干し柿が好きじゃったラブラブ!なのでね、わたしの実家から、柿を送ってもらい、わたしが作ったんよ~ニコニコテツゲン和尚さんは、干し柿好きなん?」


「大好きですよ干し柿ラブラブ!干し柿


「じゃ、持って帰らん?」

「いいんですか?では、お言葉に甘えて・・・」


聞けば、初めて「渋柿」の干し柿を作られたそうです。


「渋柿」は成熟させても、渋味ガーンが除かれるわけでは、ありません。

ただ、渋味を、取り除かなければなりません。


この渋味は、柿に多く含まれるタンニン(水溶性タンニン)で、不溶性タンニンにすれば、渋味は、抜けるといいます。

渋抜きの方法のひとつに、柿を無気呼吸させる方法(柿を熱湯に浸して、酸素呼吸が出来ないようにし、アセトアルデヒドという物質を生成し、それが、タンニンと結びついて、独特の甘味が生まれるとか・・・


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ところで、皆さんは、柿のお供えの仕方ってご存知ですか?

数ある果物の中でも、稀な御供え方です。

房を下にするんです。柿


今日は、お寺で、お檀家さまの一周忌の法要がありました。

そこで、わたくしは、お話させていただきました。

「早いもので、お亡くなりになられて、一年が、参ろうとしています。これから、亡くなられた御仏を丁寧に御供養させていただくために、33年かけて、御供養させていただきます。今日の一周忌・来年の三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十五回忌、三十三回忌・・・十三佛信仰と共に・・・実は、それぞれ、仏教では、違う呼び方があるんです。

一周忌のことを「小祥忌(しょうしょうき)と・・・」

大小の小さいに、「祥雲寺の」「祥」・・・「忌み明け」「めでたい兆し」「めでたい」という意味があるというのですが・・・

今日の様に、一周忌のお勤めをお勤めさせていただくのは、

今日お集まりの方が・・・


悲しみもあった事でしょうしょぼん苦しんでいる事もあるでしょう。

けれど、一生懸命生きてこられたからこそ・・・悲しみの中で、亡き方への供養の願い・・・


わたしは、散歩や散策が好きです。この時期、紅葉狩りにも行きましたもみじラブラブ!もみじお寺の境内にある、楓は、まだまだ、紅葉していません。赤く染まる楓に、元気をもらいます。それと同時に、散歩した途中で、拝見する亡くなった○○さんの盆栽、紅葉する事なく、常に、緑でわたくし、元気をいただきます。


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佛になったのだから、霊具膳をあげなくて良い

佛になったのだから、水はあげなくても良い


という考え方もあります。否定はしません。

けれど、わたくし共、曹洞宗は、

佛になったとしても、霊具膳をあげ・・・

佛になったとしても、お水を亡き方にお供えさせていただきます。

曹洞宗では、亡き御霊の御供養をお勤めさせていただく事は・・・


亡くなっても、なお・・・生きている時と同じように・・・

大切な家族を失った家族や親族同士が、悲しみを、少しでも抜けるように・・・分かち合えるように・・・

お勤めさせていただく事が大切なんですよしょぼん


「親父にひひ元気でやっちょるかにひひわしら、元気でやっちょるけ~心配せんでええけ~」

「あなた目見えてるはてなマーク孫がね~・・・」


亡き方へ、お言葉を投げかけてください。

亡き方を、思い出し・・・


曹洞宗梅花流詠讃歌

報恩供養御和讃(2)

清きをささぐ 御灯明に みまえは 映える花の影

わが はらからよ いとし児よ 面影かなし ありし日の


亡くなっても、なお・・・思いを守り、伝え、残していくことこそ・・・


実は、今日、大切な人の弟様の結婚式でした。

わたくしは、生きている家族へ、結婚式のお祝いを、お届けさせていただくと共に・・・

お亡くなりになられたお母様へ、お線香を御供えさせていただきました。

お線香を御供えし、合掌しながら・・・亡き方へ、お話させていただきました。

「(お母さん)良かったね~おめねでとう。」と・・・

感謝の気持ちは、決して忘れてはならない、大切な事であると・・・


法事のお勤めも終わり、お施主である息子さまが、挨拶に来られました。

「和尚さん、今日は、本当にありがとう。明日の法要でも、亡くなった親父の供養、お願いします。」


夕陽に映える「柿の実」

その側に生える「松」


柿の実をひとつ、もいで・・・亡き師匠に、御供えさせていただきました。


「守り柿」・・・