城を新築したら☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

鍋島勝茂が、佐賀を治めていた頃の事。
龍造寺家の村中城を大改造し、

佐賀城が鍋島家の居城として、生まれ変わった時の事である。

勝茂は、既に隠居していた父の直茂に新しい居城を自慢したくて、

お披露目の為に佐賀へと招待し、自ら佐賀城を案内した。
 

「あそこから攻められた時は、ここでこう防御します。」
「ここが弱いので、あっちでこうしてそれを補うのです。」
「いざと言う時は、あそこでああして…。」

勝茂は城の隅々まで、父にお披露目し、

知略の限りを尽くした防御のノウハウを説明した。
それは師である父、直茂への挑戦だったのかもしれない。
 

だが、父の反応は…。

「……これだけ?」
「え? は、はい。 そうですが…。」
「じゃぁ、一つだけ、お前が忘れている物があるな。」
「そ、それは何でしょう?」

「お前が腹を斬る場所。この城にはそれが用意されてないよ。」

その後、直茂は国の防衛というものは『城』やら『陣立て』で行うものではなく、
『人の和』が大事なのだ。

敵が攻め寄せた際の戦術、戦略をあれこれと決めて置くよりも、

周囲の者達への気配りこそが大事であり、

いざと言う時に、命を捨てて守ってもらえるような主君になる事こそが肝要である。

と勝茂を諭したのだという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 肥前佐賀藩主、鍋島勝茂

 

 

 

ごきげんよう!