初代佐賀藩主である鍋島勝茂は、大名であるにもかかわらず、剣術が達者だった。
柳生宗矩に弟子入りして、柳生新影流の免許も取得している。
勝茂は、父親である鍋島直茂より、幼いころから斬り慣れるために、
罪人を使って試し切りをさせられていた。
ある日、勝茂は処刑される罪人を10人連れてこさせて一列に並ばせた。
勝茂、「その者たちの縄を解け。」
家臣は言われたとおりにした。
「お前たちはその罪によって処刑が決まっているものたちである。
だが、生きのびる機会を与えてやろう。
もし、それがしから逃げられるのであれば、助けてやろう。」
罪人たちは、わっと喜び、勝茂公から逃げ出した。
ザン! ズバッ! ドッ!
ザクッ! ザッザッザッ!
10人のうち、たちまち9人が、勝茂によって斬られてしまった。
残った一人は、若者だった。
勝茂、
「もはや斬り飽きた。そいつは助けてやれ。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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