大いに快きかな☆ | げむおた街道をゆく

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加藤清正の股肱の臣である庄林隼人(一心)、森本義太夫(一久)は、

共に直鑓を好んだ。
庄林は黒鳥毛を以て鞘とし、森本は白鳥毛を以て鞘とした。

時の人は彼等を並び称して、これを「黒鳥白鳥」と云った。

加藤清正が木山弾正の居城である天草城を攻めた時、森本は清正の前での軍議の序において、
「臣は小勇なれども、組討する事は壮力によりません。

ただ心を剛にしてその術を知ること、それだけです。」

と申した。

清正は、森本の勇をたのむの気を抑えようとされたのか、

「組討の勝敗は偶然である。必ずという事はない。」

とその言葉を制した。
 

その翌日、森本は衆を離れて敵と遭遇すると、彼は馬上の達者であったので、

敵を横ざまに乗り倒し、飛び下って忽ち首を掻き落とした。

 

そして清正に、「臣が言葉、違っていたか否か!」と申すと、
清正も感嘆したという。

朝鮮の役の時、流れ矢が森本の尻に当たった。

庄林がそこを駆け過ぎようとしたのを、森本は呼びかけた。
「矢に当たって耐えられないほど痛い! この矢を抜いてくれ!」
庄林は立ち返ってこれを抜いた。

 

すると森本は、
「大いに快きかな!」

との言葉も言い終わらぬ間に自分の馬を引き寄せ騎乗し、

一鞭打って、
「庄林殿、跡に続かれよ!」
と即座に駆けて一番に首を獲った。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 加藤家三傑の一、森本一久

 

 

 

ごきげんよう!