大いに反省し☆ | げむおた街道をゆく

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島津貴久は、子供の頃、勉強をほったらかして、

鷹狩りに出かけることが、しばしばであった。

父や近習の眼を盗んで遠くまで出かけた時のことである。
突然の大雨に見舞われた彼は、慌てて帰路に着いたが、
川に差し掛かったところで、行きに使った橋が流されていた。

立ち往生していたところ、向こう岸に近習の園田某の姿が見えた。

抜け出した貴久を慌てて追いかけてきたらしい。
 

貴久と自分の間に流れる川を見ると、事情を察した彼はざんぶと川に身を乗り入れた。
肩まで水につかり水面に見えるのは顔だけという状態である。

「さ、早くお渡りください。」

自分の頭を足場に川を渡れというのである。
 

貴久は、

「いかに君臣と言えども、そのような真似は出来ぬ。」

とこれを拒むが、
園田も、

「いやいや、一刻も早くお戻りにならねば。」

と引かない。
 

そうこうしている間にも、水かさはどんどん増していく。

度重なる懇願に貴久はとうとう折れて、
「されば許せよ。」

と彼の頭上を渡って向こう岸へ渡り、二人してずぶ濡れになって帰った。

貴久はこのことを大いに反省し、以後は学問にも身を入れるようになったと言う。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 島津の英主、島津貴久

 

 

 

ごきげんよう!