統幸の刀☆ | げむおた街道をゆく

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吉弘家には、室町の初期に吉弘一曇という危険人物がいて、

この人は刀の切れ味を試すため、

2度に渡って千人切りの諸国行脚という凶行を行ったという。
 

しかし、京都でその最後の一人を切った時に、刀を河に落としてしまった。
 

その後、九州に帰った一雲は、博多の海辺に光る蛇が現れると聞き、

行ってみると確かに蛇のようなものが光っていた。

近づくとそれは京都の河で失った自分の太刀であった。
 

刀を再び手に入れた一雲はそれを「蛇丸」と名づけて家宝とした。
 

その数、百年後、吉弘家を継いだ統幸は、

ある日、一人旅の途中に荒寺で一夜を過ごすことになった。

 

眠っていると突然なにか不気味なものに抱え込まれており、

身動きをとることが出来なかった。

 

その時、腰に差していた蛇丸が一人でに鞘から抜け出て、

統幸を襲うものを斬ったため、統幸は難を逃れた。

 

夜が明けると、巨大な蜘蛛の死骸があり、
統幸は故事に倣い、以後は蛇丸を「蜘蛛切り」と改めた。
 

統幸が戦死した後、蜘蛛切りは、立花家に預けていた子の吉弘政宣が所持していたが、
政宣は主君である立花忠茂との酒の席で、蜘蛛切りを忠茂に献上したいと申し出た。
 

忠茂は、一度は断ったが、日を改めて使者を送り、蜘蛛切りを受領した。
しかし、それから柳川城中で不気味な光が発生するなどの怪異が起り、

家中のものも不安がったため忠茂は、

「やはりこの太刀は、吉弘家の元にありたいようだ。」

と言って政宣に蜘蛛切りを返還した。

 

以後、蜘蛛切りは「生き剣」と呼ばれて、吉弘家に代々伝えられたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 真の義士、吉弘統幸

 

 

 

ごきげんよう!